「友だちと仲良く」言うのは簡単だけど難しい
── 子どもの成長にしたがって向き合い方も変わってきますが、意識していることはありますか?
hitomiさん:人間として大切なことはきちんと伝えていきたい思いがあります。
とくに長男はやんちゃなタイプなので、勉強よりも何よりも、人に対して優しい気持ちを持つことや友だちと仲良くすることが大事だよと、つねに伝えています。
でも正直、難しい部分もありますね。私もできた人間ではないし友だちも少ないので、「みんなと仲良くしなさいね」とは言うものの、心のなかで「いやいや、そんなのムリだよなあ…」と思う自分もいて。
やっぱりそれぞれ性格が違うし、相性だってある。矛盾したことを子どもに言うのがちょっと心苦しくもあり、悩んだりすることもあります。
── 本音と建前は、大人なら使いこなせますが、子どもだとそうはいかないですよね。
hitomiさん:ただ、それは、いずれ子ども自身が感じ取っていくと思うので、親としては、子どもの気持ちにできるだけ寄り添っていければいいのかなと。
たとえば、子ども同士がケンカをしてトラブルになっても、まずは息子の言い分をきちんと聞くようにしています。
── どんなふうにお子さんと対話をされるのでしょう?
hitomiさん:まず「何があったのか」事実を聞いて話を整理し、「どうしてそういうふうに伝えたの?」と気持ちの部分を聞きます。
そのうえで、「あなたのとった行動はどうだったかな?」とゆっくり質問しながら、一緒に振り返るようにしています。
物事の良し悪しがわかるようになってもらいたいし、私も伝え方を間違えないようにしたいなと思っています。
── 親に感情をぶつけることができず、子どもがひとりでため込んでしまうのが一番怖いですよね。
hitomiさん:「親に言っても“どうせわかってもらえない”から話さない」というふうにはならないように、しっかり向き合っていきたいですね。
PROFILE hitomiさん
1976年生まれ。1994年に18歳でCDデビューし、「CANDY GIRL」や「LOVE 2000」など多数のヒット曲を生む。38歳で現在のご主人と再々婚。2020年7月に44歳で第4子を出産。現在、14歳の長女、8歳、6歳、2歳の男の子のママとして日々奮闘中。2023年1月22日(横浜)に単独ライブ「hitomi Billboard Live 2023 "With Love"」を開催。
取材・文/西尾英子 画像提供/Avex