大人が抱えやすいモヤモヤについて、臨床心理士の八木経弥さんにお話を伺いました。今回は、休日のたびに遅くまで寝ている夫の態度にモヤモヤする女性の相談にお答えします。

 

「『疲れてるから休ませてよ』…休日のダラダラ夫にイラッ」P1
「『疲れてるから休ませてよ』…休日のダラダラ夫にイラッ」P1

【Q】休日は遅く起きるが当たり前な夫にモヤモヤ

共働きで子どもを育てる母です。週末は平日にできない家事をこなし、朝から洗濯、掃除、食事作りに追われています。

 

いっぽう、夫はいつも休みの前日にお酒を飲むので、週末の朝は遅く起きるのが当たり前。私は子どものリズムを崩さないよう22時には就寝しているのに、夫は勝手気まま。深夜まで動画を見たり、ゲームをしたりして自由に過ごします。起きてきてもソファでテレビを見てダラダラ…。

 

遅く起きることを想定して、休みの前に遅くまでお酒を飲んでいる姿を見るとさらにイライラが募ります。文句を言うと「疲れているんだから休ませてよ」と言ってきますが、私だって同じです。この気持ち、どうしたらよいでしょうか。

原因は物事の捉え方の違いかも?

この状況はイライラしますよね。仕事で疲れているのはお互いさま。先のことを考えずにのんびり過ごす態度に、「なんでなの?」とイライラしてしまいますね。

 

休日にやるべきことについて、意図的に「気づかないふり」をしているパートナーもいるかもしれませんが、じつは「本当に気づいていない」というタイプの人もいるのです。

 

その理由は物事の捉え方の違いかもしれません。今回は「人によって物事の捉え方が違う」という視点でこの問題を考えてみたいと思います。

 

たとえばカラスとアリが同じ場所にいたとします。カラスが上空から見る世界、地べたのアリが見る世界。まったく同じ場所でも全く違いますよね。これは極端な例ですが、夫婦同士でも人によって物事の捉え方は違うものだと思います。

 

わかりやすく例えると、相談者さんは空から俯瞰してみる「鳥のような目」を持つタイプで、ご主人の場合は、目の前にあるものに集中して優先する「虫のような目」を持つタイプと言えるかもしれません。どちらが良い悪いということではなく、「捉え方の違い」なのです。