── ツイッターなどで全国各地の人が「買えた!」「もらった!」などと投稿をしているのを見て、どのように感じていますか?
白木さん:玉井屋本舗という岐阜の老舗和菓子のひとつに過ぎない会社の商品を下剋上鮎をきっかけに知っていただき、全国各地で購入されている人がいることに喜びと驚きを感じています。同時にSNSの可能性も強く感じました。
最近では、「ワールドカップの応援に準じて必勝祈願に下剋上鮎食べて応援だ!」「選挙に向けた逆転祈願に下剋上鮎に喰らいつきます」「受験頑張れ!のひと言と共に下剋上鮎を送っていただく」など、人生における負けられない戦いへの必勝祈願としてご活用いただいているシーンを投稿でよく目にしてきました。
企画当初から岐阜の新しい名物土産としての側面と、今回のような“下剋上シーン”という特定の機会における必勝祈願和菓子としての側面の両面を考えつつ企画していましたので嬉しい限りです。
── もし手元に下剋上鮎が届いたら、ぜひ見てほしいこだわりなどはありますか?
白木さん:鵜の顔や表情に注目していただきたいです。一つひとつ職人が手作業で作っているので、個体によって微妙に差があります。もともと鮎に食いつかれてもとぼけて「あれ?もしかして食べられてる…?」といった表情をしてはいるのですが、これがより強調されているものやちょっとムッとした表情に見えるものなど、実は細かい違いがあります。時期を変えて楽しんでいただければと思います。
商品には下剋上鮎が生まれた物語が記されたシートも入っていますので、くすっと笑ってもらえれば。ちなみに箱のデザインは、2021年日本デザインパッケージ大賞にて菓子部門銅賞も受賞しました。細部にわたり計算されたデザインの箱ですので、この辺りも見どころとして楽しんでもらいたいです。
── 人生のうちで一度は、「頑張って一発逆転したい!」「大切な誰かに奇跡をつかみ取ってほしい!」などと思ったことのある方もきっと多いはず。自身のためや誰かのために、ユーモアを交えた買い物をしてみるのも、おもしろさがあって良いかもしれませんね!
取材・文/可児純奈