振付依頼をされていない部分を遊びで踊って

── 振付で印象に残っているエピソードはありますか?

 

naotoさん:両手でひざをぐるぐる回しながらお尻を揺らして踊る振付があるんですよ。その部分のMVがTikTokですごくバズったんですけど、あの振付は依頼されていない部分なのに遊びで3人で踊ってそのまま送ったところなんです。そうしたら、監督さんたちにすごく気に入っていただいて。

 

それ以外の振付はけっこう作り直したんですけど、あのバズった部分は僕たちの踊りがそのまま起用されたんです。ノリで楽しくやっているだけのステップだったので、まさか起用されてこんなにいろんな人に踊ってもらうことになるとは…。3人がめちゃめちゃ楽しんで、エナジーがいい意味でみなさんに伝わったのかなと思っています。

 

うちらが純粋に楽しんで、ポンって出たものが受け入れられたのは嬉しかったです。

 

AOさん:思い返してみると、文面でオファーが来たのですが、こんな大ごとになるとは思わなくて。だいぶライトに受け取って、振付を考えたんですよね。

 

もちろんビッグネームのアーティストさんですが、最初は「MVのサビの振付を1回ください」くらいのテンションだったと思います。そこで、僕らの雰囲気を出そうと提出したところから始まったのですが、実際に振付の監督をされた池田 大さんやメンバーのFukaseさんたちはダンスレッスンをずっと続けてくださって。特に池田監督は毎回レッスンに参加して、ご自身でも踊ってくださったんです。

 

スタッフさんも含め、「SEKAI NO OWARIさんって、ビッグネームというか、めちゃくちゃいろんな人たちから愛されて、たくさんの力をもらっているすごく素敵なグループなんだ」って気づきました。だから「Habit」も、いろんな人たちの愛と努力が凝縮されてできているのかなと思います。それがたくさんの人に伝わったんじゃないかな。

 

あ、深いこと言っちゃった!(笑)

振付の完成まで監督と何度もやりとり

── 作り手に愛があるぶん、こだわりもあると思います。苦労した点はありますか?

 

KANさん:naotoも言ったけど、振付が完成するまでに何度もラリー(議論)があったんですね。監督の池田さんとSEKAI NO OWARIのみなさんといろいろ話して、全員で作りあげた振付だと思っているくらい。

 

みなさんは曲に対してのイメージをしっかりとお持ちだったので、提案したものに対して、「もっとこうしてほしい」というラリーは何回かありました。苦労じゃないけれど、いい思い出として残っています。

 

── 振付の制作期間は決まっていたんですか?

 

naotoさん:一昨年の12月に振付担当が決定したときに撮影期間は何となく決まってたんですけど。そこからすり合わせをして、徐々にFukaseさんたちとのレッスンを重ねていくという流れで。

 

ダンスレッスンも2か月ほどしたから、年末から撮影までを考えると4か月くらいかけて作ったと思います。一大プロジェクトのような雰囲気でした。贅沢に時間をかけてひとつのMVを撮るという。