歌もダンスもトークもダメ。モーニング娘。に入って3年間は、ツラいことが多かったと語る保田圭さん。自分の不甲斐なさを感じながら、どのように新しい道を切り開いていったのでしょうか(全4回中の2回)。

「爪痕を残してこい」と言われても

── モーニング娘。として約5年間活動されました。魅力的なメンバーが多いなかで、常に切磋琢磨されたのかと思います。

 

保田さん:
モーニング娘。のメンバーになって、最初の3年くらいはずっと自信がなかったですね。歌も踊りも自信がないし。かといってトークも全然ダメでしたし。

 

「晴れてメンバーになったものの、心は雨の日も多かった」と語る保田さん

── メンバーのなかで、格差のようなものは感じたことはありましたか?

 

保田さん:
ありましたね。写真集の撮影は、他のメンバーは水着があって、沖縄とか海外に行くけど、私は都内の近場とか。

 

プロモーションビデオも、『Loveマシーン』は、かおりん(飯田圭織)の1ショットは49回に対して、私の1ショットは8回のみです。

 

握手会は、全員横並びで、みんなメンバー全員と順番に握手をするんですけど。他のメンバーが好きなファンの子は、好きなメンバーと握手をしたら、その感触をキープしておきたいんですよ。次に、私と握手の順番が回ってきても、「大丈夫です」ってスルーされたこともあります。まぁ、ファンの心理だったらそうだよなってわかるんですけど。

 

── 当時は番組でお話をするのも苦手だったとか。

 

保田さん:
もともと人見知りなんです。でもバラエティに出させてもらったら、そんなこと言ってる場合じゃないですよね。当時のマネージャーさんにも、「歌番組のトークで、爪痕を残してこい…!」って言われてましたし。

 

ただ、17歳の私には少しハードルが高かった。MCの方に話を振られても、見当違いのことを言って場を凍らせるとか。爪痕を残せと言われつつ「お前はもう2度と喋らなくていい」って怒鳴られた日もありました。しばらくテレビで喋るのも怖くなったし、これは本当にこたえましたね。

 

── 自信をなくしそうです…。

 

保田さん:
「お前はメンバー8人中8番だ」って当時のマネージャーにハッキリ言われてましたから。単純にショックだし、すごく悔しい思いもしたけど…。

 

でも、やっぱり売れるには理由があるわけで。私がマネージャーだったら、売れる子をセンターに立たせるし、トークが上手い子はどんどん前に出すと思います。冷静に考えたら当たり前のことなんですよね。