いきなりセンターやるんだ!?

オーディションでは全然うまくいかず…

── モーニング娘。のメンバーになって、一気に世界が変わっていったのかと思います。

 

保田さん:
はじめは、毎日泣いてばかりでしたね。歌が好きだったし、少し自信もあったんです。でも、いざメンバーに入れてもらったら、私より歌がうまい人なんてたくさんいて。

 

ダンスも初めてでしたが、誰よりも覚えも悪いんです。みんながすぐに覚える振りつけも、自分だけ時間が掛かってしまう。顔の前で、手のひらをサラッと小指から巻き込む仕草だけで、OKをもらうのに3、4時間掛かりましたから。いつも居残りでしたね。

 

── 1期メンバーと2期メンバーの間に、縦社会のような雰囲気はありましたか?

 

保田さん:
今思えば、1期メンバーと2期メンバーって、入った時期はメジャーデビューからは3か月しか変わらないんです。でも、当時はその3か月が大きかったですね。

 

1期メンバーがモーニング娘。を結成して、メジャーデビューの条件のCD5万枚を頑張って手売りして、「モーニング娘。」の基盤をつくりました。念願のメジャーデビューをしてその3か月後、少し名前が売れはじめた状態で入ってきたのが2期メンバーです。それは当然おもしろくないだろうなぁって。

 

はじめは、受け入れてもらうまで、時間がかかるのはしょうがないと覚悟してましたね。実際、今までテレビで観ていた人たちと一緒にメンバーになって、すごく緊張しましたし。

 

── ただ、保田さんがいろいろと葛藤されている最中、後藤真希さんがメンバーに加入。すぐにセンターに抜擢されましたが、どんな心境でしたか?

 

保田さん:
正直、すごく驚きました…!!「いきなりセンターか!」って。それに悔しかった…。え?そういうのもありなの?って。

 

私たち2期メンバーは、まずはコーラスからスタートだったので、当然、ごっちん(後藤真希)もそうだろうと思っていたんです。

 

── 当時は話題になりましたね。

 

保田さん:
かなり衝撃でした。でも、ごっちんって、すごい天真爛漫なんですよ。

 

ごっちんがメンバーになって、初めてみんなでお昼ご飯を食べていたとき。ごっちんが「見てみてっ!」って言うので振り返ると、海苔弁の海苔を歯につけて、ニカって笑ってるんです。それを見た瞬間「この子すごいな!」って。

 

私たちは、ガチガチに緊張して先輩メンバーに会ったのに、この子は歯に海苔を貼りつけて、こっちを見て笑ってる。すごい度胸があるって。まだ13歳だったので、子どもだったのかもしれないけど、ちょっとカルチャーショックでした。ただ、ごっちんの人柄もあって、特に雰囲気が悪くなるとか、そういったこともなかったですね。