生活のなかでぶつかる理不尽を笑いに昇華したい

すべてがいそめしさんの実体験をもとに描かれている「洗濯点取占い」。描き始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

 

「ある日、洗濯中に異音がするなと思って、ふたを開けてみたら中からハンガーが出てきました。

 

洗濯物を入れるカゴの中にハンガーが紛れ込んでいたのを気づかずに、一気にざざーっと洗濯機の中に衣類を入れたせいで、一緒に洗ってしまっていたんですよね。

 

自分のあまりにも雑な部分にガッカリしました。

 

ただ、滅多にないことなのでせっかくなら『こういうできごとがあったよ』というネタ絵として投稿しようと思ったんです。もともと家事や育児に関するネタ絵を描いていたので。

 

『(洗濯に関するトラブルへの)落胆とせつなさがより上手く表現できるかな』と思って『点取占い』のフォーマットを使ってイラストを描いたところ、思わぬ反響があって。洗濯に関する“あるあるネタ”を使ってシリーズ化してみようと思ったのが始まりです。

 

家事・育児をしていると自力ではどうにもならない理不尽に直面することが多いのですが、いちいち真面目に受け止めて反省し続けると息が詰まってしまいます。なので、できるだけそれを笑える形に昇華したいなと思って。

 

Twitterではそれを他の人にもお裾分けするつもりで、第一子妊娠後の9年前からハッシュタグで企画をしたり、ネタ絵を描いたりしてきました。

 

たとえば、育児中の理不尽を妖怪のしわざにする『#育児妖怪』や、三十路ママの現実をゆるキャラに変換する『#ゆるキャラだと思えば耐えられる』などです。

 

大喜利のようにお題を考えてそのネタを描くのが好きなんですよね。見た人がふふっと笑ってちょっと元気になれるようなものを今後もSNS上で投稿し続けられたら良いなと思います」

 

取材・文/吉井菜子