2004年にハリセンボンとしてデビューした箕輪はるかさん。デビューから早々にテレビで活躍していきます。しかし、ハリセンボンが有名になるにつれ、次第にコンビ格差を感じていった時期もあったとか。明るくて友達の多い相方。仕事でもスポットライトが当たりやすい相方に対して、箕輪さんはどう向き合っていったのでしょうか(全4回中の2回)。
みんなが椅子からコケても
── ハリセンボンは2004年にデビューされて今年で丸18年とのこと。デビューから、早い段階でテレビでの活躍を拝見していた印象があります。
箕輪さん:かなり早かったと思います。24歳でデビューして、2年目くらいからテレビに出させてもらったので、恵まれている方ですよね。
── コンビの活動は、相手と比べられてしまうこともあるかと思いますが、ハリセンボンはいかがですか?
箕輪さん:春菜は、人とすぐに打ち解けられるので、羨ましいと思うことはすごくあります。女優さんとか、他にも友達が多いですし。
テレビに出ても、いつも前に出ていくのは春菜です。正直、「春菜にばかりスポットが当たって、自分は何もできなかった」と感じる場面は結構ありますよ。
春菜に比べて、私は人見知りだし、必要以上に話さない。学生の頃から、友達をつくるのは得意じゃなかったし、前に出ていくタイプではないんです。
バラエティ番組で、誰かが盛り上げて、みんなが椅子からコケても、自分だけそのまま座っていることもありますし。
自分の良さが全然出せないまま、その日の収録が終わってしまったな…と思うこともしばしばです。
── 不完全燃焼な日もあって。
箕輪さん:そんな日は、収録が夜遅くなってタクシーチケットを出してもらっても、途中で降りて帰ることがありましたね。「今日は全然仕事ができてないのに、会社に全額タクシー代を払わせるなんて申し訳ない」って。自分で自分を戒めて、家のかなり手前から歩いて家に帰るんです。そんなことをしても、誰も得しないんですけどね(笑)。
ただ、今となっては、コンビだからどちらかが活躍してればいいかな、みたいなのもあるんですよね。
── いつくらいからそう思われていったのでしょうか?
箕輪さん:30代後半くらいだったような気がします。何があったってわけじゃないんですけど。あまり自分を責めすぎてもよくないな、自分を責めたところでプラスにならないな、と思い始めたのかもしれないですね。年齢を重ねたのもあるのかな。
以前は、自分が苦手なことにチャレンジしていた時期もあったんです。でも、そのたびなんの成果も出ずに、また落ち込んで。何度か繰り返しているうちに、「もともと苦手なんだから、やってできないのは当たり前」って切り替えていったような気がします。
── 時間と共に、気持ちも変化してきた。
箕輪さん:今でも、「春菜は、どうやって相手と距離を縮めてるのかな」って観察することもありますよ。たくさん友達がいていいなって思いますけど、だからといって凹むこともないですね。
自分は自分で、気が合う人と狭く深く話をするのが好きだし、自分のペースでいけたらいいかなって。そう思うようになってきたら、楽になってきましたね。
あと、コンビなので、春菜が活躍すれば、「春菜の手柄も私の手柄」。そう、勝手に思ってます(笑)。
── 今は、おふたりのバランスは、どのように取っているんでしょうか?
箕輪さん:
お互いに、相手のプライベートにはあまり立ち入らないですね。仕事以外では、今何をしているとか、誰といるかはあまり聞かないようにしています。
連絡を取るのも仕事に関する事務的な連絡くらい。逆に、プライベートの部分は知らないでいるほうが、トークライブでも新鮮にリアクションができたりしますし。
大喜利で活躍!松本人志さんから記念品をいただき
── 箕輪さんは、「IPPON女子グランプリ」でも優勝されました。大喜利のような番組は、ご自身が活かせるような感覚はありますか?
箕輪さん:大喜利はもともと好きですね。ライブでもやらしてもらっていたし、自分の頭で考えて、それを発表するのは、わりと好きなのかなとは思います。
自分から人をかき分けて前に行かなきゃいけないものと、ボタンを押したら自分の発言ができるみたいなものって、ちょっと違うと思うんです。自分には、後者があってるんだと思います。
── 優勝したときはどんな気分でしたか?
箕輪さん:ずっと憧れていたダウンタウンの松本人志さんから、優勝の記念品をいただくことができて感激しました。ただ、「IPPON女子グランプリ」で優勝したからといって仕事が増える感じはまだないんですけど(笑)。
PROFILE 箕輪はるかさん
1980年1月1日生まれ。お笑いコンビ「ハリセンボン」として、ボケを担当。相方の近藤春菜さんとともに活躍中。フジテレビ『IPPON女子グランプリ』で優勝するなど、個人でも活躍の場を広めている。
取材・文/間野由利子