2022年夏、旅行大手KNT-CTホールディングスのグループ会社、近畿日本ツーリストが、PTA業務アウトソーシングサービス(通称PTA代行)を始めたと発表し、話題になりました。共働きが増えるなか、PTA活動は参加が難しくなり、悩まれる方も多くいます。同社担当者の中村達也さんにお話を伺いました。

2か月で問い合わせは80件も

── まず、今夏にはじめられたPTA代行の反響、利用状況を教えてください。

 

中村さん:
発表から約2か月がたち、これまで80件ほど問い合わせをいただいています。実施したのは1件です。多くは来年度以降のご相談ですね。PTAの予算が決まっている関係で来年度の問い合わせが多くなっています。

 

今は「印刷・デザイン」「WEBサイト作成」「人材派遣」「イベント関連」「出張授業・学習支援」といった5つのサービスを提供していますが、ほとんどのサービスは全国で利用可能ですよ。

 

学校で手を挙げる子どもたちのイメージ写真

── もともと、御社が修学旅行の支援をされていた点からPTA代行を思いつかれたとのことですが、どなたが具体的に発案され、どうやって形にしていかれたのでしょうか。

 

中村さん:
担当事務局のメンバーが4人いまして、修学旅行担当者や家族がPTA役員を経験した者もいます。PTA役員を家族がした人が、PTAの大変さを実感し、何か役立てることはないかと考えた結果、PTA業務の代行を思いついたのが始まりです。

 

社内で春、PTA活動経験者にアンケートをとり、リクエストが多かった項目を代行業務として実現していきました。アンケートでは、役員をやって大変だったという声や、こういうことが困ったという声が上がり、対応していきたいと考えました。

 

運動会での風船飛ばしのイメージ写真

── 現在は学校単位の依頼ではなく、全国の個人やグループから依頼を受けてらっしゃるという理解でいいのでしょうか。

 

中村さん:
いいえ、今はPTA団体単位での依頼です。個人やグループからの依頼は受けていません。

 

── ホームページを拝見すると、広報誌の印刷、人の派遣、受付業務といったさまざまなことが書かれていますが、問い合わせが多いのはどのようなサービスでしょうか。

 

中村さん:
案件ごとに請け負っていますが、年間で頼めないかというご相談もあります。

 

多いのは、人材派遣やイベント関連ですね。具体的には学校行事の受付、人手がたりないのでサポートしてほしいという声です。

 

またPTA主催イベントを何かしなければならないけれど、何がいいだろうかというご相談や、バザー、運動会について何から手をつけたらいいだろうかというご相談もあります。