笛を吹きながら「サッカーの魅力は何か」問い続け
── 山下さんからは、よりよいレフェリングを目指して毎日を過ごされている様子が伝わってきます。そこまで駆りたてるサッカーや審判の魅力とは何でしょうか?
山下さん:
「最初のころは、ボールを追いかけてフィールドを駆けまわることが楽しくてたまりませんでした。
いまもその気持ちは変わりませんが、審判の仕事を通して関わる人たちが増えて、サッカーの世界の奥深さや広がりを感じることで、ますますサッカーが好きになりました。
私がサッカー審判員の一番の魅力だと思っているのは、『サッカーの魅力を最大限に引き出す』というのが審判員の目標であること。これは、日本の競技規則にも記されています。
では、サッカーの魅力は何かと問われると、いまでも明確に答えられません。世界中の人を夢中にさせるサッカーの魅力について、目の前の試合に向きあいながら、考え続けていきたいです」
PROFILE 山下良美さん
1986年東京都出身。プロフェッショナルレフェリー。東京都立西高校、東京学芸大学女子サッカー部を経て女子サッカークラブチームで2014年まで選手として活躍。2015年国際主審に。2022年9月女性初のJ1試合主審、11月のFIFAワールドカップカタール2022審判員選出。
取材・文/岡本聡子 写真/上田涼太 画像提供/JFA、山下良美