購入前の試乗会はユーザーや販売店にもメリットが
そこで中原さんが導入した販売方法が「アセスメント販売(R)」というもの。
購入を検討するユーザーに対して、事前に道路交通法や「ふたごじてんしゃ」のメリット・デメリットを知ってもらうことを必須としています。
ユーザーもみずからのライフスタイルに合っているかを確認し、納得したうえで購入できます。こうすることで、メーカーと購入者のミスマッチを防いでいます。
また、全国各地で試乗会を実施し、実際に触れる機会も多くつくっています。質問には丁寧に答え、不都合な部分もきちんと伝えることに。
購入後もフォローアップを行い、ユーザーの感想を製品の改善につなげていきます。
「この販売方法は手間もかかるため、爆発的には売れません。でも、これまでの返品は数台程度。本当に求めている人のところに届けられている実感があります。
自転車の販売店にとっても売れるかわからない車体を置く必要がなく、購入希望があってから仕入れられるのでリスクが低いんですね。
今後も誰でも安心して乗れる環境づくりをしていきたいです。
どんな事情を抱えている人も肩身の狭い思いをしないよう、のびのびと安全に自転車を走らせられる世の中になったらいいなと願っています。
そのために、新しい自転車の開発、法設備への働きかけなどの活動をする毎日です」
文/齋田多恵 写真提供/中原美智子