「痛快!明石家電視台」や「プレバト!」のアシスタントを務めた元MBSアナウンサーで、2020年にフリーに転向した豊崎由里絵さん。MBS在局中の2017年に結婚を発表しましたが、交際中に夫にがんが判明していたそう。パートナーの病気を知った豊崎さん自身も自律神経失調症に…。がんだと判明した日の出来事や結婚に至った理由、がん治療を越えた夫への思いなどを聞きました(全4回中の3回)。
京都の貴船神社のおみくじで「難病治りがたし」
── 2017年にMBSの先輩社員である男性との結婚を発表されました。交際中にがんが判明したそうですが、なにか予兆のようなものはあったのでしょうか?
豊崎さん:
結婚前提のおつき合いを重ねていくなかで、つき合って3年くらいのころでしょうか、夫の首の辺りにポコッと腫れができているのに気づいたんです。
痛くもかゆくもないというのでほうっておいたのですが、デートに出かけた京都の貴船神社で「難病治りがたし」というおみくじが出たんですよ。それで「やっぱり気になるから病院に行ったら?」という話になり、近くの耳鼻科に行ったら、そのまま大きな病院を紹介されることになりました。
── 交際中のパートナーががんだと聞いたときの心境というのは…。
豊崎さん:
告知された日には立ち会っておらず、病院から帰ってきた夫から聞いたんです。人生で泣いている夫を見たのはあの一回きりですね…。
ショックすぎてあまり覚えていないのですが、今思えばがんだからって絶対亡くなるわけでもないのに「この人亡くなっちゃうんだ」って勝手に思い込んでしまって。いろいろ考えすぎて、自律神経失調症になってしまいました。
夫が入院している間、夜中に自分の叫び声で起きてしまうこともあり…。いつもと違うなと思うことがいっぱいあって、病院に行ったらそう診断されました。夫が治ると同時に私も治ったのですが、当時は本当に悩みましたね。
── そんな状況下でもアナウンサーとして人前に立たなければならず、気持ちの切り替えも大変だったかと思います。
豊崎さん:
がんだと聞いた日も「プレバト!」の収録で東京出張に行かなければいけなかったんです。
行きの新幹線で涙が止まらなくなり…それ以来、新幹線恐怖症みたいになってしまって。
2週間に1回、プレバトの収録に行くのですが、新幹線に乗った瞬間に涙がポロポロと止まらなくなるんです。それが結局、自律神経失調症の症状だったのですが。
今はもう克服して、むしろ新幹線の移動中なんて「全部、私の時間じゃん!」と好きな動画を見たり本を読んだり、楽しく過ごせるようになりました。
── 闘病中の相手と結婚しようと決意したのはどんな理由だったのでしょうか?
豊崎さん:
もちろん悩みましたけれど、自分が自律神経失調症になったことで「この人がいないと私が駄目なんだ」ということにも気づいたんです。
「私が支えてあげなきゃ」と言えたらかっこいいんですけれど、そうではなくて、私のほうが心配しすぎて病気になるほど彼に頼っていたんだなということに気づいたことが、結婚の決め手にもなりましたね。
私の両親も相手ががんだからという理由で反対することはありませんでした。