「痛快!明石家電視台」や「プレバト!」のアシスタントを務めた元MBSアナウンサーで、2020年にフリーに転向した豊崎由里絵さん。現在、3歳と1歳の男の子を育てながら、テレビ番組やYouTubeなどで活躍しています。ゴールデンタイムの番組を担当する“エースアナ”だった豊崎さんは、第一子を出産してわずか2か月で復帰したのち、その半年後にはMBSを退社することに。妊娠で直面したキャリアへの不安や、退職に至るまでの背景を聞きました。
必死に積み上げてきたキャリアがゼロになるのでは…
── 豊崎さんはMBS在局中にひとり目のお子さんをご妊娠されました。2018年12月からおよそ4か月の産前産後休暇を取得されましたが、キャリアから一時的に離れることへの不安はありませんでしたか?
豊崎さん:
もうめちゃくちゃありましたよね。妊娠して産休に入るのが、入社して5年半のタイミングだったんです。今振り返れば、たった5年半ではないか、まだまだ積み上げていけるキャリアがたくさんあるんじゃないか、という考え方もあるとは思います。
でも、そのときはせっかく積み上げてきた私のキャリアが、ここで一度無くなってしまうのかという不安がいちばん大きかったですね…。
もちろん、いつか子どもが欲しいとは思っていたし、嬉しくなかったわけでもありません。子どもが可愛くないわけないし、幸せではないわけでもないんですけれど、それまでいちばん大切なものが仕事だったので。
「休みもいらないのでとにかく仕事したいです!」と必死に頑張ってきたことが、一度リセットされてゼロに戻るのではないか、という漠然とした不安があって、とても怖かったですね。
──「痛快!明石家電視台」では明石家さんまさん、「プレバト!」ではダウンタウンの浜田雅功さんのアシスタントを務めるなど、ゴールデンタイムの番組でご活躍されました。担当していた番組に戻れるのか…という不安もあったのではないでしょうか?
豊崎さん:
もちろんその不安もありましたし、結論から言うと、ひとつも戻ることはできませんでした。
私が担当していたのはバラエティ番組が多くて、たとえばさんまさんの番組は収録が夜なんです。浜田さんの番組は東京で収録があったので、必ず出張を伴うわけで…。どちらも子どもを産んですぐとなると難しいですよね。
妊娠前はとても忙しかったのに、母親になったからということで出張や深夜の仕事はほとんどなくなり、泊まり勤務も免除されました。もちろん子育てのことを考えての配慮だとは理解しつつも、これまでのように働けないことへの葛藤はありましたね。
── 出産してからわずか2か月後に復帰されましたが、やはりキャリアのことを考えて「一日でも早く戻らなきゃ」という気持ちもあったのでしょうか?
豊崎さん:
出産する前から「早く戻りたい!」と思っていて。運良くというか、ありがたいことに「ぜひ出演してほしい」とオファーをいただいた新番組があり、それがとても嬉しかったんです。それまでに復帰できるように頑張ってみようという話を夫として、なんとか出産から2か月で復帰することができました。