一児の父として感じる「小児科医のすごさ」
── プライベートでは、現在9歳の男の子の父親でもあります。お子さんが病気になった際、どんなことをしてあげますか?
中尾さん:
たとえばインフルエンザで熱を出しているときなどは、何もできないですよね…。代わってあげたいし、できるなら熱を下げてあげたい。でも、たぶんみなさんもそうだと思いますが、どうしてあげることもできない。ただただ、一緒にいてあげるくらいです。
だから病院のお医者さんを頼るしかないのですが。1歳くらいの頃は毎週のように病院へ通っていましたね。保育園で新しいウイルスをもらってきては病院に行き、ごはんもろくに食べられない状態だから、細い腕に点滴をしてもらって…。
── お子さんがいちばんツラいですが、見ている親もツラいですよね。
中尾さん:
今は息子も9歳になったので、「おなかが痛い」とか「喉が痛い」と自分で言えるようになりました。それでも大人のように、的確に症状を伝えるまではできません。だからこそ小児科医は、大人を相手にしている医師とは別の、能力の高さを感じます。
予防注射ひとつにしても、子どもは絶対素直には受けたがらない。自分が子育てを通じて出会ったのは、みんなとても優しくて、どうにかして楽しく受けてもらおうと努力するお医者さんたちです。親として感謝するとともに、すごい人たちだと感じています。