子育てをしながら「仕事も集中できる環境」

── フジテレビ退職後もフリーアナウンサーとして仕事を続けていますが、子育てとの両立はどうしているのですか。

 

中野さん:
仕事でいないときは、実家の両親に5歳の長男の送り迎えなどを頼んでいます。信頼できる両親に見てもらえているのはありがたいです。それに仕事のときに、母は私にあまり連絡してこないんです。

 

ものすごく一大事だったら連絡すると思いますが、そうでない場合は、仕事に集中できるようにと「ちょっと熱があったから一応病院に行ったよ」というのは基本的に帰ってきてからの事後報告です。

 

私から連絡しないでとお願いしたわけではないのですが、確かに仕事中に連絡をもらうと、「私がいない間にそうなっちゃったんだ、大丈夫かな」と気になってしまうと思います。

 

シンガポールに住んでいたときに、外国人のシッターさんに預けたことが何度かあったんですが、仕事中も「今どうしてるかな。あの言葉、うまく伝わっていたかな」とずっと気になっていた記憶があります。母は、いい意味で連絡をしてこないですし、東京で仕事があるときも快く送り出してくれるので仕事に集中できる環境です。

 

外で体を動かして遊ぶ中野さんの長男。自然豊かな場所で子育てができることも香川県の魅力

── 香川県の魅力のPR活動もしていますが、中野さんにとっての香川県の魅力はなんですか。

 

中野さん:
たくさんあるのでひとことでは言い表せないのですが、自然豊かで、海も山も近く特産物も美味しいですし、1年を通して気候が穏やかなので過ごしやすいと思います。おうどんも美味しいですしね。通りに必ず数件うどん屋さんがあって、1杯200円くらいで食べられます。今日もこれから食べに行きます!

 

── コシがあるうどんですよね。

 

中野さん:
うどんは「喉で噛む」と私は表現しているんですけど、歯で噛むというより、喉越しを楽しんで吸い込むという感じなんです。

 

丸呑みはしていないんですけど、うどんが口に入った瞬間に、喉が口になるんです。なかなか伝わらないかもしれないのですが、歯で処理をしよう、噛もうと思わず、ビールの喉越しと思ってもらえたらいいと思います。

 

もちろん、うどん以外にもいいところがたくさんあって、小豆島や直島もアートの島として有名になりました。関東の友達も、大阪や京都までは行ったことがあっても四国まではない、という子が多くて。

 

せっかく地元に戻ってこられたので、子どもと楽しく過ごしつつ、知られざる香川をもっと勉強して、たくさんの方にいいところを発信していけたらいいなと思っています。

 

PROFILE 中野美奈子さん

1979年香川県生まれ。慶應義塾大学卒業後、フジテレビジョン入社。2012年に退社後、フリーとなる。2013年より丸亀市文化観光大使。シンガポール、広島県で暮らし、2021年より故郷の香川県在住。プライベートでは1男1女の母。

取材・文/内橋明日香 写真提供/中野美奈子