フジテレビのアナウンサーとして活躍し、その後フリーとなった中野美奈子さん。現在は生まれ育った香川県で生活を送っています。仕事を続けながら子育てをする環境が整っているという現在の暮らしについてお話を伺いました。

「みなちゃんが帰ってきた」故郷での生活

── シンガポールから帰国し、その後は広島県で3年弱暮らしたあと、去年から故郷の香川県での生活がスタートしたそうですね。

 

中野さん:
すごくありがたいなと思っています。両親が近くにいるので、何かあったときに頼ることもできますし、小さいときから住んでいたので、海や山など、子どもを遊びに連れて行く場所も、昔から行っていたところなので、生活のしやすさがあります。公園や自然もたくさんあって、子育て環境もとてもいいです。

 

故郷の香川県で、アートの島として有名になった直島を訪れた中野さんと長男

── ご近所の方や友人の反応はいかがですか。

 

中野さん:
私がアナウンサーになる前からの知り合いなので、昔の呼び方で「みなちゃんが帰ってきた」って言われます。子どもを産んで帰ってきたので「子育てがんばってね」と声をかけられることもあります。同級生も、子ども同士が同い年で、幼稚園も一緒なので、「懐かしいね」と言いながらママ友としていろいろ相談させてもらっています。

 

周りの方も、いい意味で何も変わっていなくて、みんな顔見知り。ご近所さんも家族のような感じで、そういうのが嫌な方もいらっしゃるかと思いますけど、私はこの環境が好きです。

 

宅配便の配達員の方も地域を担当されている方が同じなので、私が不在にしていて、近くのコンビニでばったり会ったら、「今から家の前に置いておくね」となることもあります。

 

現在2人のお子さんの母親となった中野さん。瀬戸内海をバックに長男との2ショット

── 生まれ育った環境で子育てすることの良さはなんでしょうか。

 

中野さん:
東京に住んだばかりのときに、遅い時間に塾のリュックを背負っている子を渋谷で見て、「子どもがこんな時間に!」と衝撃を受けたことを覚えています。私は高校まで門限が6時半くらいだったんです。田舎出身の私には、そんな遅い時間に子どもが出歩いている環境が馴染めないなと思いました。

 

私自身、小さいころからお受験がある中では育っていないので、その感覚がわからなくて。東京のお受験は面接の対策や服装なども決まりがあるとか。そういう話を聞くと「私には絶対、無理だ」って。

 

田舎も受験はありますが、東京とはまったく違いますし、あまり競争社会という意識がないので、子どもたちにはのびのび育ってもらえたらいいなと思うんです。自分が育ってきたように育てるのがいちばん安心だと思っています。

 

長女と絵本を読む中野さん。自身が幼い頃から通い慣れた場所のほか、新しいスポットを探すのも楽しみのひとつ