「やりたいことやるの大事」がマダムたちの合言葉

マダムたちが人気となった理由には、キャラクターや楽しそうな暮らしぶり、ほっこりするエピソード以外にも、大きなポイントがあります。

 

マダムたちが自由な感覚で、さまざまなことにトライするなか、たびたび出てくるのが「やりたいことやるの大事」というキーワード。

 

Episode6「マダムたちとネイル」より
Episode6「マダムたちとネイル」より

 

Episode12「パジャマパーティーをしてみるマダムたち」より
Episode12「パジャマパーティーをしてみるマダムたち」より

ファッションに関しても、マダムたちは好きな服を思い思いに楽しんでいます。

 

Episode1「寒い季節のマダムたち」より
Episode1「寒い季節のマダムたち」より

普段、職場や近所の人たちなど、周囲の目を意識してしまうことが多い人にとって、年齢にとらわれず、やりたいことや好きなものを優先するマダムたちは、眩しく映ります。

 

ご自身が「こうなれたら」と思う姿が投影されていると話すsekoさんですが、マダムたちを描き始めた背景には、ある思いがありました。

 

「若いことも、歳を重ねることも、どちらも尊く素敵なことだと思ったので、『老いへの不安がある人が減れば良いな』と思って描き始めました。歳を重ねることで得た知識や思い出は、何ものにも代えがたい大切なものだと思うので」

 

30代、40代と年齢や経験を積み重ねるなか、家族やパートナーがいても、いなくても、老後に対する漠然とした不安が生じるときがあります。そうした不安を感じるとき、フィクションであってもマダムたちの暮らしを見て、「こんな将来が、あるかもしれない」と癒やされる人が少なくないのかもしれません。

 

 

かつては「絵を仕事にするのは難しい」と諦めた時期もあったというsekoさん。苦しい時代を乗り越えて今はイラストレーター・漫画家として活躍するsekoさん自身の経験が、マダムたちの金言を生んだのかもしれない…そんなふうにも思えてきます。

取材・文/鍬田美穂 画像提供/KADOKAWA『マダムたちのルームシェア』©️seko koseko