「やりたいことやるの大事」がマダムたちの合言葉
マダムたちが人気となった理由には、キャラクターや楽しそうな暮らしぶり、ほっこりするエピソード以外にも、大きなポイントがあります。
マダムたちが自由な感覚で、さまざまなことにトライするなか、たびたび出てくるのが「やりたいことやるの大事」というキーワード。
ファッションに関しても、マダムたちは好きな服を思い思いに楽しんでいます。
普段、職場や近所の人たちなど、周囲の目を意識してしまうことが多い人にとって、年齢にとらわれず、やりたいことや好きなものを優先するマダムたちは、眩しく映ります。
ご自身が「こうなれたら」と思う姿が投影されていると話すsekoさんですが、マダムたちを描き始めた背景には、ある思いがありました。
「若いことも、歳を重ねることも、どちらも尊く素敵なことだと思ったので、『老いへの不安がある人が減れば良いな』と思って描き始めました。歳を重ねることで得た知識や思い出は、何ものにも代えがたい大切なものだと思うので」
30代、40代と年齢や経験を積み重ねるなか、家族やパートナーがいても、いなくても、老後に対する漠然とした不安が生じるときがあります。そうした不安を感じるとき、フィクションであってもマダムたちの暮らしを見て、「こんな将来が、あるかもしれない」と癒やされる人が少なくないのかもしれません。
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かつては「絵を仕事にするのは難しい」と諦めた時期もあったというsekoさん。苦しい時代を乗り越えて今はイラストレーター・漫画家として活躍するsekoさん自身の経験が、マダムたちの金言を生んだのかもしれない…そんなふうにも思えてきます。
取材・文/鍬田美穂 画像提供/KADOKAWA『マダムたちのルームシェア』©️seko koseko