宇津井健さんが買ってくれた赤いブーツは今も宝物
── とても実のある親身なアドバイスで、お二人が山田さんをかわいがっていたのが伝わります。
山田さん:
当時は実際に私がかわいかった、というのもあるはず…(笑)ですけど、みなさん本当に、かわいがってくれました。失礼なことをいっぱいしていたのに(笑)。
俳優の宇津井健さんにも、「靴を買って!」と言って、周りからは「端役のお前が、主役に何言ってるんだ!」って怒られてね(笑)。でも宇津井さんは喜んでくれて、「後輩から物をねだられるなんて、すごく嬉しいよ!」って、赤いブーツを買ってくれました。
そのブーツ、今も大切にしているんです。私も、そういうことのできる先輩になりたいと憧れましたし、そうなれるように頑張っています。
── 素敵ですね。大御所の先輩方にかわいがられたのは、どういう理由からだと思いますか?
山田さん:
フットワークがいいことですかね。
朝でも夜でも深夜でも、先輩と出かけられるときは必ず行きました。仕事があるときは仕方ないけれど、睡眠時間を削ってどうにかなるくらいなら、絶対に。
── 当時の過密スケジュールで睡眠時間を削るのは、相当なことですよね?
山田さん:
後悔していることがあって…。加山雄三さんからある朝、電話で「これから光進丸(加山さんの愛船)を出すんだけど、乗らない?」と連絡をいただいたのに、仕事で行けなかったんです。
雄三さんが大好きで、スキーを教わったり、私の絵を描いてくださったり、本当にかわいがってもらいました。でも船に誘ってくれたのは、その1度きりだったので、あの日行けなかったのが今でも、本当に残念なんです。