マメで芸に真面目な後輩はかわいい
── そうそうたる方たちにかわいがられた山田さんですが、今はご自身が先輩として、かわいがりたくなるのはどんな後輩ですか?
山田さん:
マメな子ですね。やっぱり「邦子さん、邦子さん」と電話かけてきたり、会おうとしてくれたりする子はかわいいですよ。あとは、いい意味でオタク気質な子。ほかのことはダメでも、芸に真面目で一本筋が通っている子は、かわいいし、すごい!と思います。
例えば、松村邦洋は売れっ子になっても、よく連絡をくれる後輩の1人です。最初は「田舎から出てきちゃって、もうどうするんだろう?」って心配したけど、熱心に芸を磨いていましたね。
最近だと、イケメン演歌歌手として人気の山内惠介くん。本当に歌うことしか考えてなくて、それ以外はダメなところもあるけど(笑)、筋が通っている子です。いつもいつも歌を調べて、すぐに覚えて…すごい曲数ですよ。家に遊びに来ても、私のCD棚を貪るように調べています。
笑点メンバーになった、桂宮治くんも。彼は優秀なセールスマンだったのに、結婚と同時に落語の道に進み、あっという間に実力や人気をつけて真打になりました。1か月高座をやったら毎日、違う演目ができる。これは凄まじいことです。
しかも、腰が低いし、寝る間もないくらい忙しくなっても挨拶を欠かさない。ああいう人が出てくると、いろんな垣根を越えて、みんなが大切にしますよね。
会えなくなっても後輩が売れるのは嬉しい
── YouTube「山田邦子 クニチャンネル」では、若手芸人たちとのコラボも人気です。彼らから見たらすごい大先輩なのに、みなさんとてもリラックスしていますよね?
山田さん:
年代がかなり離れていますから、逆に緊張しないんじゃないですか。最初は番組の企画でYouTubeのコラボをしたのですが、今はもう仕事も関係なくやり取りする仲になりました。
アントニー(マテンロウ)とは一緒に食事に出かけたり、野球観戦したり。鬼越トマホークの金ちゃんは、実家が居酒屋をやっていて、お父さんとお母さんの店にも行きましたね。
みんなすごい人気があって忙しいし、スケジュールを合わせるのもお互い大変です。でも、本当にいい子たちで面白いし、彼らも私を面白がってくれて(笑)。
── 先輩だけでなく後輩とも、積極的に交流されているんですね。
山田さん:
刺激になっています。若い人からの吸収は、やっぱり楽しいですしね。同じ業界にいても、なかなか知り合えない。だから出会えたら、どんどん会って、若手からもどんどん吸収したいと思っています。
それに、そういう後輩が売れるのが本当に嬉しい。ただ、売れっ子になり忙しくなると、なかなか会えなくなってしまいます。だけど、それでも連絡をくれるのがまた、嬉しいですからね。
PROFILE 山田邦子さん
1960年東京都生まれ。お笑い芸人、タレント、女優、歌手、漫談家のほか、「山田邦子 クニチャンネル」でYouTuberとしても活動。10月12日には歌謡曲ミニアルバム『ザ・山田邦子カーニバル!』が発売された。
取材・文/鍬田美穂 撮影/渡邉茂樹