元ZONEベーシストのMaiさん
元ZONEベーシストのMaiさん。現在はヨガインストラクターとして活動

ヨガインストラクターやYouTuberとして活動するMaiさん。見覚えがあると感じた人も多いかもしれません。Maiさんは大ヒット曲『secret base ~君がくれたもの~』などで人気を博し、2000年代に活躍したZONEの元メンバー。「ひとつのことに没頭するタイプ」というMaiさんに、芸能界デビューのきっかけからZONE時代のエピソードについて聞きました(全3回中1回目)。

引っ込み思案で無口な子が「まさかの芸能界デビュー」

── 子どもの頃から人前で立ったり、踊るのが好きだったのですか?

 

Maiさん:
それが、その真逆で(笑)。人の後ろに隠れがちな無口な子でした。だから人前に立つのは苦手だったんです。でも小学校4年生のクラブ活動で、ダンスを選択して習い始めたときに、ダンスで自分を表現するのがすごく合っていると感じて、夢中になりました。

 

── ダンスを始めたことがきっかけで、活発になったのですね。

 

Maiさん:
そうなんです。ダンスの魅力にどんどんハマって「もっとダンスを極めたい」とダンススクールを探していたら、芸能事務所がやっていたスクールを見つけて。

 

── そこから芸能デビューにつながったのでしょうか。

 

Maiさん:
試しにダンスを踊ったら、「明日から来てください」と言われたのですが、芸能活動には興味はなくて。単純にダンスが習える場所だって思っていたんですよ(笑)。

 

事務所のスタッフと面接したときに、「ここは歌とか演技を学ぶ場所だよ」って言われて驚いちゃって。「私は芸能活動には興味がなくて、ダンスがやりたいんです」って言ったら、「ダンスのレッスンもあるから、それを習いに来たらどう?」と勧められ、そのまま事務所に入りました。

 

── 事務所でのレッスンは、どんな感じでしたか?

 

Maiさん:
事務所には子役としてCMに出たり、新聞のチラシに出たりするような子がたくさんいて。その子たちと比べると、私は特殊だったかも。「あの子、全然しゃべらないでずっと踊っているね」って言われていました(笑)。

 

そんなとき、事務所内でグループを組むことになり、オーディションを受けてみないかって社長から声をかけられて。ダンサーという位置づけで、小学校5年生でグループに加入することになりました。

 

デビューからしばらく経った頃のZONEメンバー。一番右がMaiさん
デビューからしばらく経った頃のZONEメンバー。一番右がMaiさん

── ダンサーだったのですね!バンドスタイルのZONEのイメージからすると、正直意外です。

 

Maiさん:
ZONEは最初はバンドではなかったんです。札幌に東京のレコード会社の方が見に来て、「デビューさせたい」って言ってくださって。

 

── 地元での活動期間がそれほど長くなかったなかでデビューが決まるというのは、非常に順調なように見えますが…。

 

Maiさん:
芸能界を目指していたわけじゃないし、自分には合ってないと思っていたので…正直なところ複雑な気持ちでしたね。ただダンスが好きだったので、続けたいとは思っていました。

 

事務所が「学校には必ず行く」という方針だったので、ライブやテレビの収録などにも札幌から通っていました。実は東京に住んだことは一度もないんです。

 

── 上京して活動していたわけではなかったのですね!

 

Maiさん:
そうなんです。金曜の夕方から土日は東京に行って、月曜から金曜は学校、というサイクルでした。よく「上京して活動していたんでしょ」って言われるんですけどね。ずっと札幌です(笑)。

 

ZONEの活動で札幌と東京を往復していた頃のMaiさん
ZONEの活動で札幌と東京を往復していた頃のMaiさん(一番右)

── 上京しようとは思ったことはなかったのですか?

 

Maiさん:
そういう話は何度か出たのですが。当時は、札幌は“プライベートの街”という位置づけで、東京は“仕事の街”、っていう切り替えがうまくできていたんです。飛行機に乗ったらもう仕事モード、って感じで。

 

── 当時はライブ活動やテレビ出演も多かったと思いますが、移動だけでも大変だったのでは?

 

Maiさん:
飛行機のマイルが早く溜まるので、それが楽しみでした(笑)。VIPルームに入れたりしたのも嬉しかったですね。