無邪気な子どものように、スイーツをほお張ったり、歌ったりするおばあちゃんの動画がYouTubeで話題に。関東在住の89歳のこの女性は、認知症にかかっていますが、介護をしている家族がその様子を撮影して、公開しているのです。ユーモラスな高齢女性の素顔や、苦労が多かった結婚生活について聞きました。
家庭は混乱して苦労しましたが…
「多くの若い人や介護で苦しんでいる人、プロの介護士さんたちに視聴してもらい、認知症や高齢者の介護をしている目線で、共感をいただくことが圧倒的に多いです」
そう話すのは、YouTubeのチャンネル『認知症ポジティブおばあちゃん』で、おばあちゃんのユニークな日常を配信している義理の娘である“お嫁ちゃん”。
認知症の症状で、天真爛漫になったおばあちゃんを楽しそうに撮影している様子が、画面から伝わってきて、総再生回数は1900万回にのぼります。
「おばあちゃんは4、5年前に脳梗塞で倒れて、子宮の病気を患ってからは、認知症も悪化してひどい状況でした。
夫は大阪に単身赴任中で、同居している子どもは大学受験を控えていたので、家の中はグチャグチャで私もかなり苦労しました」
認知症の介護を前向きに
その後、子宮の手術をすると歩けるようになり、食欲も回復し、日常生活が安定すると認知症も改善傾向に。
「おばあちゃんは、もともと明るく目立ちたがり屋で、タレント性があると思ったので、撮影してYouTubeで発信してみることにしました。
すると、おばあちゃんが撮影されることや公開されることを喜ぶようになり、より一層元気になりました。
そこで、コロナで直接会えなくなった親族に、おばあちゃんの状況を知ってもらうのに加え、苦労の多い認知症の介護を前向きにできるのではないかとも思い、発信を続けることにしました」
現在、おばあちゃんは要介護2で週に3回のデイサービスに通っているそうですが、どんな心構えでお世話や撮影をしているのでしょうか?