2019年にひと回り以上年下の男性と結婚された遼河はるひさん。夫だから話せることもある一方、夫であっても理解を得難い場面もあると言います。また、夫と一緒にて自然体が過ぎるがゆえに、夫から提案もあったとか(全4回中の4回)。
男役だった私の結婚
── 2019年にひと回り以上年下の元サッカー選手である鈴木さんとご結婚されました。元々、結婚願望のようなものはあったのでしょうか?
遼河さん:いつかは、みたいなのはありましたが、それ以上に、自分が寝たいときに寝る、起きる、食べる、みたいなことを自分のタイミングでできるほうが楽だなと思ってました。
誰かと一緒に暮らして、いろいろ生活リズムを調整して。そこまで気を使ってまで結婚したい相手はなかなか見つからなかったというか。
ただ、今の夫とは一緒にいても自然と居心地がよかったんですよね。
── 旦那さんとなら、ある程度自分のペースが守られるような?
遼河さん:自分が自然体でいられるんです。それに、洗い物とか、家事のこととか、ごく自然にやってくれます。自分が宝塚で男役だったからか、男役全般に言えるかわかりませんが、こちらが尽くす、裏方に回ると、もしかしたら難しいのかもしれないですね(笑)。
── 結婚して約3年ですが、年齢差のようなものは感じますか?
遼河さん:冗談でよく「いじめないで(笑)」とは言われます。でも、とくに結婚してガッカリするようなこともないですね。はじめから「いい意味」で、期待しない!自分でやる!と思ってるというか。
たとえばひと回り上の男性だったら、「え…そんなことで失敗するの??」という場面を見てしまったら、ちょっとガッカリするかもしれないです。
でも、彼といると「いい意味」で期待しすぎないんです。もし、知らないことがあれば教えてあげればいいし、相手もそう。お互い知ったかぶりをしないから、すごく楽というか。
── 逆に、旦那さんからリクエストのようなことはありますか?
遼河さん:居心地が良すぎて、少し気をつかわなすぎて…。ヘッポコな格好をして外出することが増えてしまってみたい。「もうちょっと綺麗に、ちゃんとしたほうがいい」って言われました。つい、楽な服を選んでしまう。ダボっとした服ばっかり着ていたらやっぱり言われました。
いつもどこか痛いって
── ヘッポコ(笑)。旦那さんにそう言われてどう思いましたか?
遼河さん:そうだよな。あぐらをかいてちゃいけないな。所帯じみすぎちゃったなって思いました。
ただ、そうは言っても着飾って高いヒール履いてコツコツ歩いている女性を見ると、偉いなというか、そこまで力が出ないかというか…。
あと、そうそう、思い出しました!喧嘩じゃないけど、なかなか分かり合えない点。なんていうのかな、年齢とともに体調の変化ってあるじゃないですか。たとえば「今日はちょっとダルイ」とか「腰が痛い」とか。そういったこと旦那さんに話すと、「また痛いって言ってるの?」「毎日痛いって言ってるよね」って言われます。
── 体調の良し悪しって、なかなか伝わりにくかったり。
遼河さん:そろそろ更年期になる年齢ではあるので、どうなんでしょう。でも、よくテレビやニュースで、更年期に差し掛かって起き上がれない。旦那さんに言っても聞いてくれなかったっていう話を聞くじゃないですか。
かなり時間がたってからやっと気づいてもらったと。そのあたりの感覚は、今でもたまに口喧嘩の原因になることはありますね。
体調に関しては、女性同士のほうが共感しあえたり、精神的に救いになることもあります。
── 確かに、女性同士だからこそわかりあえる部分はありますね。
遼河さん:女の人と会うとよく体調の話になりますが、意外とそんな雑談で救われたりします。バランスでしょうかね。夫ともうまくいっているし、女友達にも体のことは話せるし。状況によって、話を変えているのかも。それに、こういった発言ができるのも、やっぱり夫と話しやすいんですよね。
PROFILE 遼河はるひさん
りょうがはるひ。1976年生まれ。元宝塚歌劇団、女優、タレント。1994年、入学し、月組の男役として人気を博す。2015年に昼の連続ドラマ『癒し屋キリコの約束』に主演したほか、タレントとしても多くのバラエティで活躍している。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/阿部章仁