ハイタッチで思い出す両親の光景
母親としてわが子を1か月何事もなく育てるというのは、決して容易なことではありません。もちろん父親だってすべてが初めてのこと。
互いに求めることが多くなってしまう時期に、喜びを共にわかちあうことができる。実は簡単そうにみえて、とても難しいことなのではないでしょうか?
翌日、旦那さんは寝ぼけながら無意識にしたハイタッチが感慨深かったと話します。
なぜ自分がそのようなことをしたのかを振り返ったとき、信濃ネムさんはふと自身が大学卒業した晩にご両親がハイタッチをしていた光景を思い出します。
「よっしゃー子育て終わったー!」と夫婦で喜ぶ光景。もしかしたらそのようにして喜びを共有する姿は、娘から見てとても素敵な親の姿として映っていたのかもしれません。
信濃ネムさん自身には、子育て終わりのハイタッチとしてなにか思い浮かべているものがあるのか聞いてみました。
「私の両親にとっての子育て終わりは大学の卒業式の日でしたが、私たちにとっての子育て終わりがいつになるのかはまだわからないので、突然すぎてハイタッチの前に泣いちゃうかもしれないですね(笑)」
そんな信濃ネムさんは、夫婦関係で心がけていることについてこうも教えてくれました。
「とくにルール決めしているわけではないのですが、毎日お互いを称えあいながら過ごすようにしています。どれだけ小さいものでも、毎日繰り返されるものでも、やってもらったことに気づいた限りは必ずお礼を言うようにしています」
パートナーをよく見て、その感謝を伝え、そして気持ちを共有することはとても難しいことです。距離が近いからこそ言えない言葉、行動もときにはでてくるでしょう。
しかし意識しながら続けることで、もしかしたら素敵な“子育て終わりのハイタッチ”の瞬間が私たちにも訪れるのかもしれませんね。
取材・文/可児純奈