素敵なお母さんになることを夢見て専業主婦になったのに、妊娠できない。心機一転、パートに出るもコロナ禍で派遣切り…。当時38歳で、人生MAXの80キロ台だったというねこくらりえさんは、ダイエットを決意し、一年でマイナス25キロを達成しました。「きっかけは、何者にもなれない自分を見つめ直したこと」というねこくらさんに、ダイエット決意までの道のりを聞きました。
バリキャリに憧れた20代
── 38歳でダイエットを決意するまでの道のりを教えてください。
ねこくらさん:
もともとは地方の百貨店でショップ店長として働いていたのですが、29歳で結婚退職し、専業主婦になりました。
子どもができず、5年ほど不妊治療に励みましたが、結局授からず、断念。社会復帰しようとパートで働き始めた矢先、今度はコロナ禍で派遣切りに…。
出鼻をくじかれショックでしたが、「それなら腰を据えて本当にやりたいことに挑戦しよう」と一念発起し、ダイエットをはじめました。
── 20代で店長を任されるほど順調なキャリアを積んでいたねこくらさんが、結婚退職して専業主婦を選択されたのは、なぜだったのでしょう?
ねこくらさん:
20代は“バリキャリ”志向だったんです。
役者になりたくて、高校卒業後は劇団に入ったのですが、20歳のときにいろいろ考えて諦めました。
当時流行っていたのが、アメリカの連続ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』。バリバリ仕事をして恋にもアグレッシブ、自分が稼いだお金で素敵な洋服をバンバン買いまくる自立したオシャレなライフスタイルに憧れましたね。
── 懐かしいですね。『セックス・アンド・ザ・シティ』は、当時の女性たちの憧れでした。ちなみに私は、サマンサ推しでした(笑)。
ねこくらさん:
私もすっかりドラマに触発され、バリキャリを目指して百貨店で働き始めたのですが、現実はそんなに甘くはなく…。
ショップ店長といっても、特にお給料がいいわけでもないし、オシャレな暮らしからは程遠い。おまけに、店長に抜擢されたものの、会社の期待に応えられているという実感がなく、身の丈に合っていないのでは…?と、ずっと自信を持てずにいました。
でも、それを悟られたくない自分がいて、取り繕うのに必死な20代でしたね。そうしているうちに、だんだん心が疲弊してしまって…。
夫は、「専業主婦でもいいよ」と言ってくれたので、それに甘えて家庭に入ることにしたんです。