そのとき、息子がひと言「ママが死ななくてよかった」って言ったんです。それを聞いたとき何とも言えない気持ちになって。

 

私は、東日本大震災の取材などをきっかけにうつにもなったし、流産も二度経験しました。本当に大変なことばかりだったけど、そんな言葉を言ってくれた人は息子以外にいないなぁって。

 

彼の言葉を聞いて泣きそうになりましたが、でもちょっと泣くのは違うかなとか、どこか放心状態になりながら、とにかく息子をぎゅっと抱きしめました。

 

そして、「こんなふうに私のことを思ってくれるんだったら、もう一回仕事でやれることならやってみたいな」という気持ちにさせてくれました。

 

その言葉がなかったら、この世界にそこまでの思いはなかったかもしれないなと思います。

 

そういう意味では、息子に会うたびにモチベーションが上がるんですよね。子どもは普通に話をしているだけだと思うんですけど、子どもってすごいなって。彼は彼なりにすごくいろんなことを感じているんですよ。

 

息子に会うたびにモチベーションが上がります

── 息子さんの存在は本当に力になりますよね。

 

丸岡さん:とても大きいですね。キャスターという仕事柄、週刊誌などに憶測で記事を書かれることもあります。代理母の話とか、離婚とか。みんなちゃんと事実を知らないなかで、いろいろなことを言うじゃないですか。

 

事実と違うことを勝手におもしろおかしく書かれて、悲しい思いをすることもやっぱりあります。でも、私にとって彼の存在は絶対的なもの。定期的に会っていましたが、それを世間に知らせようとは思っていませんでした。

 

好きに言いたい人が言えばいい。でも、息子がいれば、そんなネガティブな感情も一気に吹っ飛びます。誰がどう言おうと私にとって息子の存在は絶対的な存在で、エネルギーの源です。

 

PROFILE 丸岡いずみさん

北海道文化放送アナウンサーとしてキャリアをスタートさせ、日本テレビに中途入社。報道記者として警視庁捜査1課を担当し、その後キャスターに。日本テレビを退社。フリーとして活動。主な著書『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(主婦と生活社)


取材・文/間野由利子 撮影/井野敦晴