移住して困ったことは「店が早く閉まること」

店のオープンに合わせて浩介さんも鎌倉に移住した。

 

鎌倉での住み心地は「地域の方も優しくて気にかけてくれて、好きなことをさせてもらっていて、楽しいですよ」と話す摩耶さん。今は生後8か月の息子を一時預かりに頼みながら店を切り盛りしているが、とても元気だ。

 

「この辺りの友達が、今日は夕日がきれいだから見に行こうって声をかけてくれたりするんです。海が近くて遊べるのもいいですね」と摩耶さん。

 

浩介さんも「湿気が多い気はするけれど、周りもお寺ばかりのせいか、時間の流れがゆったりしている気がします」と話す。

 

店の支度をする摩耶さん

「ただ、夜は飲食店が早く閉まってしまうから、ご飯を食べようと思ってもやっていないのが難点」とのこと。

家族で続けていきたい

浩介さんは今後についてこう話す。

 

マヤノカヌレは金、土、日曜日しか営業していないが、最近は、火・水・金・土曜の午後5時から午後9時半ラストオーダーでおつまみとお酒を楽しめる店「パーラールーム」も同じ場所で始めたため、この「居場所」を軌道に乗せたい考えだ。

 

「カヌレももちろん味の種類を増やして、今まで以上にいいものを作って、全国配送にも力を入れたい。この場所が気に入っているので、ここを拠点に家族とスタッフと続けていきたい」と話している。

 

色鮮やかなカヌレを手に微笑む摩耶さんと浩介さん

取材・文・撮影/天野佳代子