子どもに失礼な状態で接していないか

── ニート時代は、かなりお酒の量が増えていたようですが、当時はいかがでしたか?

 

こど看さん:
その病院に入った当初の僕は、自分が看護師としてうまくできているか不安でした。不安をかき消すために飲むのに、解消されないまま寝てしまう。まだお酒に逃げていました。

 

でも、中学生の女の子の件があったくらいから、お酒でボロボロな状態で子どもと関わるのは失礼だと思うようになりました。この仕事って、行動や表情がすべてその子の「何か」になるんです。

 

そう気づいたあたりから、ニート時代のような飲み方はしなくなりました。

 

考え方が変わり酒量も減った現在のこど看さん

── 「子どもに失礼な態度をとっていないか」は、子どもに関わるすべての大人がドキリとする視点かもしれません。

 

こど看さん:
子どもに失礼な態度をとることは、その子をひとりの「人」として見ていない行為のような気がします。

 

この仕事をしていると、「子どもに接する人がやることすべて」が治療になると感じるんです。

 

まずは、自分が自分を大切にする。そうして、子どもに万全な状態で関わっていきたいと思います。

 

取材・文/夏野久万 本人写真提供/子どもの精神科看護師