遺影写真に年齢は関係ない

遺影を撮影した人はうえはたさんの撮った写真を見て、改めて自分が何を大切にしてきたか、どんなことを軸にして生きてきたかに気づく人も少なくないといいます。

 

うえはたさんは、遺影撮影を今後の人生の方向を考えるきっかけにしてほしい、とも考えるようになりました。

 

「写真を撮影することによって、自分を客観視できるのではないかと思います。

 

たとえば、今後の生き方に迷っていたとしても、写真を見て“自分はこんなことを軸にして生きてきたんだ”と再確認し、方向性を定められる場合もあるのではないかと。

 

遺影というと、ある程度年齢を重ねた人が撮るイメージかもしれませんが、年齢は関係ない気がしています。できれば若い人にも撮影していただきたいですね」

 

今はまだ敷居の高い遺影撮影を、もっと気軽なものにしたいと、試行錯誤しているうえはたさん。

 

若い人でも撮影しやすいよう、「人生のプロフィール写真EAE photography」と名づけてポップな雰囲気にする、年齢を重ね、深みを増した時期を写真に残すための【Rock ju kara photo】(ロクジューカラフォト)というプランを作るなど、工夫を凝らしています。

 

「私自身も、“遺影ってなんだろう”と何度も原点に立っては、多くの方にどう伝えたらいいのかを考えています。

 

やっぱり撮影された方が、“自分らしい”と満足してもらえる写真を撮りたいです。それが結果的に、人生の集大成の写真となったらいいなと思います」

文/齋田多恵 写真提供/うえはたみき