妻に叱られた「後輩に助言するタイミング」
── ドラマでは、後輩社員との接し方に悩む姿が印象的です。吉沢さんのアドリブで、よりリアルなシーンになったという監督のコメントもありました。
吉沢さん:
最初はかなりイラッとする後輩でしたよね。清一は、結構優しく接していましたが、自分だったらズバッと言っちゃうかも、とも思いました。
実は僕、30代で後輩との接し方を学んだことがありました。妻のアドバイスが大きく影響しています。
一緒に舞台をやった後輩がいて、芝居が大好きなのは分かるけれど、「向いてないかもしれない」と思ってしまって。でも人付き合いは抜群にうまかったので「接客とか向いてそう」と軽く言ってしまいました。
もちろん褒め言葉だったのですが、その瞬間、彼の表情が曇ったらしく…。その食事会に同席していた妻に後から「良かれと思っても言っちゃダメ」ときつく叱られました。
相手が受け止める準備がない言葉は、たとえ良いアドバイスであってもマイナスの影響を与えることがあると学びました。
彼はその後、役者を辞めて接客業でものすごい成功を収めているので、僕の言ったことは間違いではなかったんです。でも、あのタイミングで言うべきことではなかった。ちゃんとキャッチボールができる状態で言うべきだと学びました。
先輩からのアドバイスは全然嫌ではない
── 40代になった今、吉沢さん自身が先輩にアドバイスを求めることはありますか?
吉沢さん:
あります。求めるし、僕の周りには、求めていなくてもいろいろと言ってくるタイプの先輩が多くて(笑)。
先日、映画『トップガン マーヴェリック』を観て気づいたのは、僕は本気の人が好きだということ。殺陣の先生もそうだし、俳優仲間もそう。
本気要素を持つ人に惹かれがちなタイプだと思います。若い頃は、先輩のアドバイスが素直に受け入れられない時期もあるけれど、僕はもともと全然嫌ではないタイプ。
それこそ殺陣の先生から「役者として」といった言葉をかけられたとしても、「本業じゃないのに」とはならずに、すんなり受け入れることができています。
<作品情報>
「5つの歌詩(うた)」
スターチャンネルEXにて独占配信中
BS10 スターチャンネルにて放送中
吉沢悠主演「何度でも」は9/24(土)より放送
🄫2022 東北新社
制作:東北新社/MMJ
取材・文/タナカシノブ ヘアメイク/髙取篤史 スタイリスト/大迫靖秀