夫婦で受ける仕事もある

ネタは大さんにも相談することも

 

── 大さんは、ギャンブルのイメージもありますが…。

 

椿鬼奴さん:ギャンブルは、今ボートレースの仕事がすごく潤ってるんです。ボートレースはもともと配信だし、ネットで券が買えるので、コロナ禍でボート業界の売り上げが上がったんですよ。そのおかげで大さんにも回ってきて、仕事も安定しています。好きなことを続けてくれてよかったな。大さんのボートの仕事を夫婦で、ということもあります。

 

── 結婚する際、周りからの反応はいかがでしたか?

 

椿鬼奴さん:同期は心配していましたね。「あいつで大丈夫か」って。それぞれ評判は知っているので。ギャンブルやるし、人からお金も借りるし、というのはあったんですけど、でもいい奴だということを知っている人も多かったんです。だから、結果的にみんな大丈夫でしたね。

 

── 結婚された当初、大さんが財布から勝手にお金を…という話がありましたが、ネタなのか、本気なのか、というところはありました。

 

椿鬼奴さん:本当にやっていたんですけど、別に結婚生活は続いているわけだから、本当に怒ってるわけじゃない、ってネタのつもりで言ったんですけど。

 

そのことで大さんがずいぶんと叩かれてかわいそうだったな、と思いました。今はあんまり言わないようにしています(笑)。

 

貸すのはいいんですよ、言わないのを怒ってるんだ、って言ったらちゃんと言うようになりました。

 

思いのほか、大さんのお金の話が叩かれしまったと語る椿鬼奴さん

── 逆に結婚して改めて気づいた、大さんのいいところはありますか?

 

椿鬼奴さん:仕事に真面目なところですね。しっかり台本を読んで、どうしたらいいかを考えてから行くんですよ。私は出たとこ勝負でやってきたので、「こんなふうにちゃんと向き合ってるんだ」と知って、私も少し変わりました。

 

私は基本的に宿題とか勉強が嫌いですし、そういうのがないから芸人って楽だな、と思ったんですけど。舞台ではやっぱりネタは考えて行ったりはしていましたけど、テレビはあんまり。でも、今は考えて行っています。

 

── 今後、夫婦で挑戦したいことはありますか?

 

椿鬼奴さん:チョコレートプラネットのYouTubeで「マネーのクズ」っていう企画があるんですけど、プレゼンして、何十万かをもらうんです。そこに出演したら、企画が通っちゃったんですよね。チョコプラの2人と、その時MCだったシソンヌのじろうの地元に行って、本人たちの代わりにお金を使ってくる、地元還元をするっていう企画。

 

この前、長田の出身の京都で30万使ってきて。私のYouTubeでも旅行動画としてあげたんですけど、それが楽しかったので、人からお金をもらって人の地元にお金を落とすっていうのを夫婦でやっていきたいですね。忙しい芸人さんが地方に還元するのを私たちが請け負いますよ、って(笑)。

 

PROFILE 椿鬼奴さん

つばきおにやっこ。1972年生まれ。お笑い芸人。NSC東京校4期生。デビュー当時は「金星ゴールドスターズ」というコンビを組んでいた。ハスキーボイスが特徴。現在はピンのほか、「キュートン」のメンバーとしても活動している。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也