世代を超えた女性芸人同士の繋がり

当時は着替える場所も困ったと語る椿鬼奴さん

── そういう時代だと女性芸人同士の仲が深まったり?

 

椿鬼奴さん:森三中は、私よりもっと先にテレビに出ていますが、スタッフも男性ばっかりだったし、あんまり見てもらえない印象があるんですよね。だから辛い気持ちというか、森三中がオアシズさんにご飯に連れて行ってくださいって、声を掛けていたりしていましたね。

 

事務所も世代も違うんですけど、声をかけたらやっぱりすごくお優しくて。

 

光浦さんは、清水ミチコさんと一緒になったときにご飯に行きたい、って声をかけたって聞きました。ミチコさんとオアシズさんも世代は離れているんですけど、みんなやっぱりお互いに肩を寄せ合って頑張ろうねって、感じですね。

 

── 今でも一緒にごはんに行ったり?

 

椿鬼奴さん:コロナ禍の前は、野沢直子さんがアメリカから戻ってくるたびに女性芸人だけの会をやっていましたね。お店貸切って、世代関係なく。

 

── 今、女性芸人の環境は変わりましたか?

 

椿鬼奴さん:変わりましたね。個室ではないにしても、女性用の楽屋もありますし。楽屋がないときは、着替えにこちらを使ってください、って案内があります。

 

気づかってくれるようになったのは、女性が増えたからかな。住みやすくなりました(笑)。

 

── 女性芸人の大会、「THE W」もできましたね。

 

椿鬼奴さん:初年度だけ出てくれって言われて出たんですけど、準決勝行ったかな。私はそれ1回きりしか出てないんですよ。

 

審査されるようなネタができるわけじゃないので。どんなジャンルもそうですけど、ちゃんとしてないと決勝にはいけないですよね。

 

女芸人同士、助け合って今に至ります

 

PROFILE 椿鬼奴さん

つばきおにやっこ。1972年生まれ。お笑い芸人。NSC東京校4期生。デビュー当時は「金星ゴールドスターズ」というコンビを組んでいた。ハスキーボイスが特徴。現在はピンのほか、「キュートン」のメンバーとしても活動している。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也