王道ではないんだろうな

芸名も無事に決まりました

── 周りの人たちの影響もあって、ご自身の芸が出来上がっていったんでしょうか。

 

椿鬼奴さん:本当にそうですね。芸人になったのも友だちにやってみたら、という言葉があったからだし、流されて流されてここまで来た感じで。割と何も考えてないんですよね。ノンポリシーです(笑)。

 

── 鬼奴さんというと、歌ネタも多いですよね。バービーボーイズも印象的です。バービーボーイズはどなたが考えたんですか?

 

椿鬼奴さん:もともとはレイザーラモンRGさんがひとりでKONTAさんと杏子さんをやってたんですよ。カツラを半分に切って、半顔ずつでやってたんですって。でも、小藪さんのイベントで流すVTRを作るときに2人でやったほうがいいだろうと思ったみたいで、私に声をかけてくれたんです。そうしたらそのVTRがすごく受けたんですって。

 

── 反響がよかったんですね。

 

椿鬼奴さん:そうですね。バービーボーイズさんにも会えましたし。杏子さんに最初お会いしたんですけど、すごくノリのいい方なので、おもしろがってくださいました。杏子さんとRGさん、作家さんと4人でごはんに連れていってもらったり。

 

ARABAKIロックフェスではバービーボーイズさんが15時とかの出番だったんですけど、同じステージの午前中に私とRGさんが出るっていう。そのときにご挨拶に行ったら、「やっと会えたね!」って他のメンバーの方も言って写真撮ってくれたりしました。嬉しかったですね。

 

── 年齢を重ねて芸に対する気持ちが変わったりしましたか?

 

バービーボーイズさんともお会いできました

椿鬼奴さん:特にないかもしれないですね。女性芸人だけど、キワモノ枠って感じで。

 

当時の劇場担当だった社員さんが、くまだ(まさし)さんとかキートンさんとか、アホマイルド、しんじさんとか、あと当時男丼さんっていう下ネタばっかり言う人をピックアップして、「お前らもう出る場所ないんだから頑張れ」って寄せ集めたのがキュートンなんですよね。

 

私はキートンさんにかなりカラーが近いと思われて入ってるんですけど、そんなつもりないですよね。下ネタも言ったことないんだけど、と思いながらも(笑)。でも多分、王道ではないんだろうなとは思ってました。

 

私の同期は花の4期って言われて、東京NSCの中ではすごく早く売れた世代なんですけど、その中でも花の4期が森三中、インパルス、ロバート、裏4期がPOISON GIRL BAND、アホマイルド、コンマニセンチ。そこにも入ってない闇4期って家城さんに言われたのが私でした(笑)。

 

PROFILE 椿鬼奴さん

つばきおにやっこ。1972年生まれ。お笑い芸人。NSC東京校4期生。デビュー当時は「金星ゴールドスターズ」というコンビを組んでいた。ハスキーボイスが特徴。現在はピンのほか、「キュートン」のメンバーとしても活動している。
取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也