卒業するときに気持ちが決まって

思っていることを飾らずに話せる仲間と出会いました

── NSCは、友だちのすすめで入ったとのことでしたが、ご自身でも芸人としてやっていこう!と改めて思ったのは、どのタイミングだったのでしょうか?

 

椿鬼奴さん:卒業したときに、何十組かだけが、確か40組だったかと思うんですけど、吉本所属になれるんですよ。そこで、落ちている人もいる中で残ったので、だったら続けようかな、と思ったんですよね。

 

── NSCは他にお仕事もしながら通っていたんですか?

 

椿鬼奴さん:
友だちのお父さんの優しさで、NSCに在学中も輸入ペットフード会社で雇ってくれていたんですけど、そもそも学校に行くのに週2~3回は早退させてもらっていたんです。優しい人で、それも「いいよ、いいよ」って。

 

ただ、途中でそこも経営が大変だから雇えなくなっちゃったんだと言われて辞めて。

 

半年ぐらいは何もしていなかったかな。でも、会社都合だから、って失業保険も出るようにしてくれたので、ハローワークに通いつつ、NSCに行っていましたね。そのあと、別のツテで保険のセールスレディをやるようになったんですけど、劇場に出るようになって…。NSCに通ってるときは、すでにもうそれしかやることがないし、だから続けよう、ってなったんですよね。

 

PROFILE 椿鬼奴さん

つばきおにやっこ。1972年生まれ。お笑い芸人。NSC東京校4期生。デビュー当時は「金星ゴールドスターズ」というコンビを組んでいた。ハスキーボイスが特徴。現在はピンのほか、「キュートン」のメンバーとしても活動している。

取材・文/ふくだりょうこ 撮影/坂脇卓也