見てくれる人との間に少しずつ信頼を築いていけたら

── 中川さんがイメージする30代についても教えてください。

 

中川さん:
今、24歳だけど、30代って意外とすぐにやってくるのかなという気もします。

 

すごく大人にも感じるのですが、昔は24歳もすごく大人だと思ってました。でも、自分がなってみたら、意外と何も変わらないという気がしていて。

 

もちろん、経験値は増えますが、30代が近づいてきている友達を見ていても、今のまま変わらないんじゃないかな、なんて思っています。

 

2か月後、3か月後どうなっているのか分からない仕事なので、もっと先の30代を具体的に想像するのが難しいのかもしれません。でも、未知だからこそ楽しみでもあったりします。

 

ただ、一緒に仕事をする人、そして僕の仕事を見てくださる方たちとの間で、中川大志という俳優としての信頼みたいなものは少しずつ、しっかりと築いていけたらいいなと思っています。結局、目の前のことを一つひとつやっていくことが大切なんじゃないかな。

 

中川大志
「目の前のことを一つひとつやっていく」と話す中川大志さん

貴重なプライベートの過ごし方

── 再びソニックの吹替を担当して、キャラクター以外の声の吹替に興味が出ましたか?

 

中川さん:
あまり考えたことはなかったですが、チャンスがあったら、挑戦してみたいですね。自分と同年代の俳優さんの声がいいかな。

 

たまに飛行機で自分の声が吹替られている映画に遭遇することがあります。「僕、こんな声になっている!」と吹替の面白さを感じる瞬間でもあります。

 

ソニックでキャラクターを全面に出すことを学んだので、誰かの吹替をするときにも、イメージを逸脱しすぎないよう意識してやってみたいです。

 

── 11月には主演舞台、12月には映画公開も控え、話題のドラマにも出演中。仕事とプライベートの切り替えや、リラックスできる時間もとても貴重かと思います。中川さんが、今、一番リラックスできる時間を教えてください。

 

中川さん:
現場に入れば仕事モード、仕事が終わればプライベートに勝手に切り替わるので、スイッチのオンオフを意識したことはありません。もう自然にできるようになっているので(笑)。

 

現場が続くと食事はお弁当が増えるし、好きなものが食べられないことも増えるので、撮影の合間にちょっと時間があいたら、おいしいご飯を食べに行くようにしています。お酒を飲むのも、おいしいご飯を食べるのも好きなので、そういう時間が少しでもつくれたときはすごくうれしいです。

 

PROFILE 中川大志さん

俳優。1998年生まれ、東京都出身。2022年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、日曜劇場「オールドルーキー」など話題作への出演が続いている。映画『ブラックナイトパレード』(12月23日公開)、主演映画『スクロール』(2023年公開予定)が待機中。

取材・文/タナカシノブ