声のトーンや間の取り方が印象を変える

── 今のお話から、特に「声」を大事にしている印象を受けました。

 

片渕さん:
表情やリアクション、相槌の打ち方なども大切です。ただ、全体の雰囲気をつくる上で、番組のジャンルやシチュエーションに合う、声のトーンや抑揚、間の取り方といったリズムも、重要だと考えています。

 

報道番組では、低めの落ち着いたトーンで、正確に伝わる間の取り方を意識します。情報が主役ですから、声や話し方のクセが耳障りになってしまって、内容が入ってこない…とならないよう、気をつけています。

 

逆にバラエティでは、その場を盛り上げたいので、声を大きめに張ったり、トーンを上げたり、抑揚をしっかりつけることを意識しますね。

 

みなさんもプレゼンの場面などで、信頼感や説得力を与えたいときは、落ち着いたトーンや、ゆったりした間で話す。楽しさを伝えたい時は、声のトーンを上げて抑揚をはっきりつけるなど、自然と実践されているかもしれませんね。

 

── 確かに、私たちも日常の仕事や会話の中で、無意識にやっていますね。

 

片渕さん:
そうですよね!こういう話をしていながら、緊張すると声のトーンや抑揚がなくなるタイプ(笑)。だから、私自身の課題のひとつでもあるんです。

 

アナウンサーとして出演・進行をするときに、自分の声のトーンや抑揚、間の取り方によって、番組全体に与える印象が変わってしまうので、本当に大事にしています。

 

── アシスタントやサブキャスターとして、司会者やメインキャスターを支えるご経験が多いかと思います。

 

片渕さん:
番組づくりは常にチームワークで、どの立場であっても、共演者の方やスタッフのみなさんとの協力が欠かせません。

 

サポートする面では、メインの方が全体を見ているなか、目の届きにくいところに気を配り、番組をより良いものにするために、環境を整えたり、考えて動いたりします。

 

ちょっとしたことだと、報道番組ではメインキャスターが読む原稿をサブキャスターがめくるなど、オンエア上では見えないところで、細かなサポートをする作業はよくありますね。