心地よく頑張れるスピード感で

── アナウンサーとして多くの現場の経験してきたことで、「伝える力」「聞く力」そして「聞き出す力」が培われてきたのですね。

 

片渕さん:
私自身もまだまだ試行錯誤しているところなのですが…。中堅と言われる年齢になってきて、現場でもだいぶ思うように動けるようになってきました。

 

── 仕事に加えて、資格の勉強もされているとか。最近、社会人の学び直しを重要視する声が高まっていますよね。

 

片渕さん:
社会人1〜2年目は、本当に日々の仕事をこなすだけで、“いっぱいいっぱい”という感じでしたが、最近は4~5か月にひとつテーマを決めて、勉強する余裕も生まれました。

 

朝と夜の番組を担当しているため、確かに生活は不規則。体調を整えるために、毎日ストレッチすると決めているのと、あとは少しだけ運動や食事に気をつけています。働き方改革が進んでいるので、休みはしっかり取れています。

 

── 仕事以外の勉強もしていると、完全にオフの時間というのは、なかなか確保できないのでは?

 

片渕さん:
そうでもないんです。これからも長くこの仕事を続けたいと思っているなか、猛スピードで突っ走ると息切れしてしまう。キャリアは長距離走と思って、心地よく頑張れるくらいのスピード感で…というのを意識しています。

 

それにオフのときは、お出かけや趣味を楽しむ日もあるし、何もしたくない日は何もしないし、いっぱい寝たい日は寝るし、食べたい日は食べるし…。かなり自由にやっていますね(笑)。

 

 

気さくに取材に応じるなかでも「読者の方の場合は、こういう状況がありそうですよね?」と確認するなど、常に伝える相手を意識しながら話す姿勢に、プロの気遣いを感じました。サブキャスターやアシスタントでの仕事に加え、メインキャスターという新たな立場でも成長を続ける片渕さんの活躍が、今後も楽しみです。

 

PROFILE   片渕茜さん

佐賀県生まれ。2016年アナウンサーとしてテレビ東京に入社。多くの番組を担当し、「出没!アド街ック天国」で井ノ原快彦宣伝部長に振られる佐賀弁トークや、Instagramの「佐賀弁お天気」も話題になっている。

取材・文/鍬田美穂 写真提供/テレビ東京