フジテレビを退職後、吉本興業に所属したアナウンサーの久代萌美さん。仕事の相談もお互いにするという、夫でYouTuberの「はるくん」との結婚生活について、伺いました(全3回中の1回)。

 

久代萌美アナ

パートナーがいる心強さ

── YouTuberとして活躍されている「はるくん」とご結婚されてから、ご自身のなかで変化はありましたか?

 

久代さん:生活自体は、まったく変わっていないです。でもメンタルの面ではすごく心強くて。何があっても自分の味方でいてくれるパートナーがいると思うと、仕事で何かできなかったことがあったり、炎上と言いますか、あまり良くないことを言われたりしても、「大丈夫」と思える安心感があります。

 

会社を辞める決断ができたのも、絶対に分かり合えるパートナーがいるからと言うのはすごく大きくて。応援してくれている人がいるから失敗しても大丈夫と思えるので、より強くなれたと思います。

 

── お互いの仕事の話などもするのですか。

 

久代さん:うちはすごく仕事の話もします。私の相談や愚痴にも彼なりの意見を言ってくれるので日々助けになっていますし、彼の相談も受けます。

 

YouTubeとテレビはまったく違うので、考え方も違うんです。YouTubeは彼が自分で作っているものなので、自分のいいと思ったことを自分がいいと思うように載せる。

 

私は制作側の目線が入って放送されるので、私の思ったままダイレクトに放送されるわけではありません。自分の思っていない魅力が出されることもあれば、本意ではない出され方もしますが、良くも悪くもあるのがテレビで。

 

主人は、自分の表現する範囲内ではできない魅力を伝えてくれるのは羨ましいと言います。お互いに違う世界の出役として意見交換ができるのは面白いです。

 

久代萌美アナ
観葉植物やハーブの買い出しをする久代さん

── テレビの仕事をしている久代さんの仕事に対しては、どんなことを言われますか?

 

久代さん:メイクさんがいて、カメラマンさんがいて、整えられた環境がいかにありがたいかとは言われますね。構成も考えてくれて台本もあって、そんな素晴らしい環境でさらに自分のことを言っていいなんて、幸せだよって。

 

夫は自分でやろうとしない限り新しいものは生まれないので、常に自分で自分を追い込んでいる感じです。

「掃除機を丸くかけても」感謝の気持ちを忘れずに

── 共働きでお互いに忙しいと思いますが、家事は分担しているのですか。

 

久代さん:家のことは私が全部していたのですが、吉本興業に入ってからありがたいことに忙しい日々が続いて、家事と仕事でいっぱいいっぱいになったときがありました。東京にいれば夜、帰宅してから家事もできるのですが、地方ロケなどで物理的に家を開ける時間が多くなって。

 

洗濯物や皿洗いが溜まっていても今まで夫は何もしない人だったので、何も気にせずためたまま。私が帰ってきてからそれをするのが辛くて、1回言ったことがあったんです。

 

「あなたと同じように私も働いているのに、どうして家事は私ひとりでするのか。よく考えたらおかしくない?」と夫にプレゼンしました。

 

── どんな反応でしたか。

 

久代さん:細かく説明したら夫は「確かに」と。もとからしないから、家事を半分にするという概念がなかったようでした。悪気はなく、気づいていなかったみたいです。せめて自分のだけでもすれば、それで半分になると言ったら、そこから積極的にしてくれるようになりました。

 

心の中では「家事も半分するのは当たり前」とは思っているんですが、彼なりに頑張ってくれているので、「すごく助かる、嬉しいありがとう!」と感謝を伝えています。

 

正直、夫は家事は得意ではないんですけど(笑)。掃除機も隅を残して丸くかけるし、食器に泡が残るときもあるんですが、それは大目に見ようと思っています。

これからは「個人」を発信していきたい

── 結婚後、フジテレビの退職を経て吉本興業に所属されました。これからの目標はありますか。

 

久代さん:会社員時代はできなかった、個人として発信することを強化していきたいです。あまり自分の意見を発信する機会がなかったので、YouTubeなどで私自身の発信する場を設けたいと思っています。それと、料理が好きなので本を出したり、実際に作ったものを食べていただいたりする機会を設ける活動もしたいなと思っています。

 

久代萌美アナ
(C)YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.

バラエティ番組では、アナウンサーらしく正しい言葉を話すというより、馴染みのある言葉を使ったほうがわかりやすいということもあって普通の話し方をしています。

 

今もナレーションやイベントの司会の仕事をさせてもらっているんですけど、アナウンサーらしい声の仕事もあると、正しい日本語に直したり、発声や滑舌を思い出せたりもするので、自分の中では必要な時間です。それに改めて「やっぱり私、この仕事好きなんだ」と思えるので、アナウンサーらしい仕事も組み込んでいけたらいいなと思っています。

 

PROFILE 久代萌美さん

久代萌美アナ

1989年東京都生まれ。首都大学東京卒業後、2012年、フジテレビにアナウンサーとして入社。「さんまのお笑い向上委員会」や「ワイドナショー」など主にバラエティ番組で活躍。2022年4月から吉本興業にアナウンサーとして所属し活躍中。

取材・文/内橋明日香 写真提供/久代萌美、吉本興業