介護の仕事と芸人を両立させていたが…

高齢者向けデイサービス施設で週3日働くかたわら、勤務先の理解を得て芸人としても活動も続けました。やがて独自の道を究めるために、芸人として独立も果たしました。

 

メイミさんにとって介護現場はネタの宝庫。介護の仕事を通して、高齢者がふだんから不便だと感じていることや老いによる悩みなどを知ったことで、愛情を持って芸・笑いと向き合えるようになります。

 

人によりますが、できないことが増えて自信をなくす人、話し相手が限られて寂しさを感じる人、気持ちの切り替えがうまくいかない人も多いそう。

 

「人を笑顔にする喜びを実感しました。ある朝、いつも元気な利用者さんが、沈んだ様子で来所されたので心配で。

 

丁寧に話を聞きながら、気分転換できるようユーモアを取り入れて接するよう心がけました。

 

すると、夕方の帰宅時には『あなたのおかげで元気が出たわ』と笑顔になって、私も嬉しかった。

 

人は調子がいいときもあれば、悪いときもある。この施設での積み重ねが今も芸に活きています」

 

この時期から、介護をテーマに介護漫談家として演芸協会に所属し、名門・浅草東洋館の寄席へも出演するようになりました。

 

介護は重労働ではあるけれど、仕事自体にストレスは感じなかったというメイミさん。

 

「介護の仕事と両立させていたなか、芸人としての活動日を確保するために、多くの職員が休みをとりたい土日祝日に休暇申請することにストレスを感じていました。

 

介護職が休みづらい構造的な問題や人手不足があり、苦渋の決断でしたがデイサービス施設を辞めることをしました」