銀行退職を知った親の反応

── 銀行を辞めるとき、誰かに相談しましたか?

 

鈴木さん:
辞めると決めたことを親にどう伝えようか、一番悩んだのはそこです。大学も通わせてもらって、せっかく入った銀行を辞めるというのは、なんか申し訳ないなという気持ちがありました。それこそ、僕がずっと銀行に勤めていれば老後も安心できただろうし。

 

だけど、どうしても毎日が楽しくなさすぎて、その思いを伝えたところ「自分の人生なんだから好きなようにしなさい。親のことなんて考えなくていいのよ」という言葉が返ってきました。ちょっと拍子抜けなくらい(笑)。

 

「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」への出演が決まったときも、今までのお礼と「これから自慢の息子になれるようにがんばります」とメッセージを送ったら、「ずっと自慢の息子です」と返ってきて。めちゃくちゃ泣きました。

 

「自分が楽しいと満足できることが大事」と言ってくれたあのときのやりとりを思い出すだけで、涙が止まりません。親には感謝しかないです。

親には感謝しかない

── 「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の現場では最年長。5人の座談会の際にも、他のメンバーを優しく見守るような立ち位置が印象的でした。最年長として意識していることはありますか?

 

鈴木さん:
僕が心がけているのは、自分からおせっかいをしない、ということです。

 

他のメンバーよりも経験はあるので「こうしたほうがいい」と先に気づくことも結構あります。でも、自分からは声をかけません。現場でしか学べないことがあることは十分に理解しているので、学べる機会を奪ってしまうのは避けたいという思いがあります。

 

自分で考える力のある人たちが選ばれているはずだから、みんなが訊いてくるまでは、なるべく口を出さないようにしています。自分で考えて自分なりの答えを持って質問や相談をしてくるメンバーの姿は、心強くもあり、刺激にもなっています。

 

<作品紹介>
『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア/暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』
公開中
劇場版「リバイス・ドンブラザーズ」製作委員会
©︎石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映
©︎テレビ朝日・東映 AG・東映

取材・文/タナカシノブ