1日9杯のフラペチーノを飲んで47都道府県を制覇
スタバ愛を語るフラペチーノ山口さんが、「最高に楽しくもつらさもあった」と話す思い出は、昨年の『47 JIMOTO フラペチーノ®』をすべて飲んだ経験だと話します。
「スタバの日本上陸25周年イベントで、47都道府県で地元のパートナー(従業員)が考案した、独自のフラペチーノを期間限定で販売しました。
コロナ禍でもあり47のフラペチーノを全制覇するつもりはなかったんですが、友人や妻が「いましか飲めないフラペチーノもあるだろうし、行ってきたら?」と、あと押ししてくれて。
たまたま、当時、スタバに関して番組でテレビ出演する機会もあって、“やるか”と」
北海道を皮切りに、飛行機で東京へ。そこからはレンタカーを借りて全国を1周。3週間近くかけてすべてのフラペチーノを制覇したそうです。
「1日に9杯飲む日もありました。1店舗で3つのフラペチーノを、カスタムを変えて飲みながら記事を書いて、車に戻ってまた他県のお店へ行くみたいな…」
その間の味覚はどうだったのでしょう。塩けやから味などなく、舌が麻痺しそうな気もしますが、そんなことはどこ吹く風だったとフラペチーノ山口さんは言います。
「車に戻ったらコーヒーを飲んで、甘さいっぱいの味覚をリフレッシュします。次のお店まで車移動で3時間程度はかかっていたので、味覚も取り戻せました(笑)」
その間、食事は夕食の1回だけ。ただし、郷土料理や名物料理を食べて、リフレッシュや栄養補給ができたと言います。
「島根県だったかな。1回だけサービスエリアで昼食をとりました。体調が悪くなって、何か固形物を体に入れないとダメだと思って」
いま振り返ると人生で最高に幸せなひとり旅だったといいますが、当時は地獄だったそう。
「早く帰りたいし 、つねに寒いし、飲みながらブログ書くのも大変だし、飲んだフラペチーノの魅力が伝わっているかわからなかったし。レンタカーは期日までに返却できるか心配で(笑)」
各地で飲んだツイートを投稿するも、当時は“20いいね”がつく程度。フラペチーノ全制覇した際も、達成感はまるでなかった様子。
「最後に飲み終えた際に、『ざっくりとしたご当地フラペチーノのランキングを発表!』とツイートをしたら、数千の“いいね”がついて。
それから、世間で“フラペチーノの人”と認知されるようになりました。SNSの世界では無名でしたから」
達成感や充実感は今年になってから、ジワジワ感じるようになったといいます。
「イベントが終わって1年が経ちますが、こうして取材などを受けると当時のことが思い出として蘇ってくる。
人からも“あんなイベントはそうそうにはないだろうね”と言われると、その貴重な機会を得られたことに実感もわいてきます」
そんなフラペチーノ山口さんに、スタバへの野望や夢を最後に聞いてみると…。
「東京の六本木にあるスタバが運営する紅茶専門店『STARBUCKS Tea & Café』しか飲めない定番フラペチーノは制覇したんですが、期間限定があるんですよね。それを全部飲み干したい!」
え、それが野望なんですか!?フラペチーノ山口さんのスタバ愛は純粋で強烈でした。
「もはや、季節の移ろいや思い出さえフラペチーノで実感するんですよ。4月になると、“あぁ桜のフラペチーノだな”とか。レジャーや旅行の思い出も、“あそこで抹茶フラペチーノ飲んだな”と思い出してしまう」
たかがフラペチーノというなかれ、人生が楽しくなったフラペチーノ山口さんがその証明。いまも毎日、スタバに通っています。
PROFILE フラペチーノ山口さん
マーケティグ会社勤務を経て独立。その後、ブロガーへ。近5年間に発売されたスタバのドリンク類は全制覇。ブログ『スタバマニアのブログ/年間365杯以上飲むフラペチーノ山口の情報サイト』には、スタバのお得な利用方法からマニアックなカスタムの飲み方まで網羅されている。
取材・文/西村智宏 画像提供/フラペチーノ山口