漢字が多くて読みにくい

冷たい印象を与えていないか

また、漢字が多すぎる文章は、読み手に堅苦しい印象を与えてしまいます。場合によっては、相手の読む気が失せてしまうかもしれません。普段、漢字で書いている言葉をひらがなに直すだけで、相手の受け取る印象は変わってきますよ。

 

たとえば

 

「下さい」→「ください」

「無い」→「ない」

「~の様な」→「~のような」

 

漢字をひらがなにするだけで、文章をやわらげることができます。

不満を伝える際は「依頼する」気持ち

上司や部下などに対して不満を伝えたいとき。まずは、お礼の言葉を伝えてから、「実は、現在担当しているいくつかの案件についてですが…」と、要点を書くようにします。ひと言お礼の言葉を伝えることで、相手の気持ちをやわらげます。

 

たとえば、仕事量が多くて終わらない場合。「重要な案件を複数担当させていただき、ありがとうございます。現在、急な案件が重なることが多く、このままだと全体の進行が遅れてしまう可能性があります。できれば、業務の一部を他の人に引き継いでいただけないと思い、ご相談させていただきました」

 

仕事では、不満を述べるだけだと相手から誤解されてしまうことがあります。

 

要望を相手に理解してもらうためには、問題点と解決方法をセットで提案しましょう。それにより課題が明確になり、相手にも受け入れられやすくなります。

 

最初に不満から書きだすと、相手はそこばかりフォーカスしてしまうかもしれないので注意しましょう。

 

常に「これを相手が読んだらどう思うか」という、読み手の気持ちを意識して書くことで、メールなどでのトラブルを回避することができます。

 

PROFILE 尾藤克之さん

コラムニスト、著述家、障害者支援団体アスカ王国理事、明治大学サービス創新研究所客員研究員。議員秘書、大手コンサルティングファーム役員として活躍。近著「最後まで読みたくなる最強の文章術」(ソシム)など計20冊を出版。
取材・文/間野由利子