「あと15分繋いで!」いきなりイヤホンで指令が

夢は自分で掴みにいかないと語るベッキーさん。

── 芸能活動がスタートし、たくさんの番組に出演されていきますが、ベッキーさんにとって、ターニングポイントになった番組はありますか?

 

ベッキーさん:
当時『COUNT DOWN TV Neo』(TBS系)っていう深夜の音楽番組があったんです。『おはスタ』(テレビ東京系)のレギュラーが決まって、次に決まったのが『CDTV-Neo』、その後に『笑う犬』(フジテレビ系)が続くんですけど、それまで、『おはスタ』でも何回かMCをやったことはあったんですが、『Neo』は、完全に自分が番組を受け持ってMCをする形でかなり鍛えられました。

 

── どんな風に鍛えられましたか?

 

ベッキーさん:
最初はロケスタイルだったんです。アーティストさんの元を訪れてトークをするんですが、毎週緊張したし、話を仕切るのって難しいなって思いながら臨んでました。そもそも番組を背負うような立場も初めてだったし、申し訳ないんですけど「今週でクビになりますように…!」ってずっと思ってたくらい悩んでいました。

 

その後、ロケスタイルからライブ形式に番組の収録方法が変わったんです。なぜかMCの私が、ずっとゴンドラに乗ったまま番組が進行するという不思議なスタイルだったんですが。

 

番組では、アーティストさんの曲が終わって、次の曲まで私が繋ぐんですが、毎回進行がスムーズにいくとは限らないんです。イヤホンから「ごめん、ちょっと今準備が遅れてるから、後15分くらいトークで繋いで」みたいなこと急に言われて。

 

16歳の少女が200人くらいのお客さんを目の前にして何か話さないといけない。芸人さんでもないし、咄嗟にトークで繋ぐとか本当にキツくて!あれはもう、だいぶ鍛えられましたね。

 

── 聞いてるだけでも緊張してきます…。

 

ベッキーさん:
いや、私もよく頑張ったなと思って。でも、当時は断れない性格というか、文句が言えない性格だったんです。「もうやるしかない!」「これは仕事なんだ!」と自分に言い聞かせながらも、お客さんに話しかけていったり、試行錯誤しながらやってました。

 

ただ、そんな状況でもオンエアを見るとスタッフさんのおかげもあっていい感じに仕上がってるんですよ。ほんとにありがたかったですし、毎回学びでしたね。

 

── そのときに鍛えられた経験が、その後の活動の基礎と言いますか、繋がっていると感じますか?

 

ベッキーさん:
間違いないです、本当に。私は14歳でデビューしちゃったので、表に出ながら下積みをしていくしかなかったんです。だから、たくさんダメ出しされながらもいい経験をさせてもらったって思っています。

 

PROFILE ベッキーさん

84年生まれ。神奈川県出身。タレント。98年「おはスタ」でデビュー。以降、テレビ・映画・ラジオ・雑誌・CMなど幅広く活躍。
取材・文/松永怜 写真/坂脇卓也