ニートから起業に至るまで

── 具体的にはどのようなことをしたのですか。

 

村上さん:
知人に紹介してもらっていろいろなところに企画書を持っていきました。ありがたいことに卒業して1年間は大学の図書館を使わせてもらえたので、そこで内容を考えて、印刷して。ニートだったわりには忙しかったです。

 

卒業したばかりだったので、まだギリギリ「何ができるの」じゃなくて「何がしたいの」というふうに話を聞いてもらえました。

起業した頃の村上さん

チャンスをもらえたら先方の想像を超える準備をしていきました。アパレルの社長からB級品のストックが大量に倉庫に溜まっていて困っていると聞いたら、その在庫をどうしたら有効活用できるかを提案したり、鶏肉店から加工のときに出るコラーゲンを廃棄するのがもったいないと聞いたら、それを化粧品にする企画を出したり。ジャンルを問わず、できることはなんでもしていました。

 

これを続けていたら、だんだんと自分が役に立てそうな落としどころがわかってきたんです。「今日でもなく明日でもなく、次の週末で楽しめる」という距離感でものごとを企画すると人の心が動かせる。しばらくは個人で活動をしていました。

 

── 最初から起業を目指していたわけではなかったんですね。

 

村上さん:
今でこそコミュニティメディアの代表として言ってもらえますけど、つくろうと思ってつくったというより、こういうふうに考えたら人生楽しくなる、という考え方を提案していくうちに少しずつ実績が増えてきて、それをSNSで報告していたらファンがついてくれました。

 

何かのプロジェクトで力を発揮すると、次もどうですかと声が掛かって、車や携帯電話の展示会などのプロデュースも任せてもらえるようになりました。コンセプトをブランドに変えて、当時手伝ってくれていた学生たちを一気に正社員として迎える形で会社を立ち上げました。