不貞行為は「子どもがどう思うか」

女性活躍の世の中になっているのだろうか

── 20年には宮崎さんの2度目の不倫疑惑が報じられましたが、その後も夫婦円満でいらっしゃいますよね。

 

金子さん:
あのときは『許す力』という本を出す直後だったので、出版社には本当に申し訳ないタイミングだったなと思っています。

 

私のところに宮崎から報道が出ると知らせる電話がかかってきたときに、声のトーンで「またやったな」とすぐわかりました。1回目のときに顔面麻痺が出てうつ病になるぐらいの状況になって苦しかったはずなのに、「馬鹿者が!」って。「何をやってるんだ!」と思ったんですが、取り乱す前にまず話を聞いてみてから自分で判断しようと思いました。

 

結局、ネット上で相談に乗っていた精神的に不安定な方がいて、夫の隙もあるので優しくしすぎたら、相手の方が「会いたいです」と言って指定されたホテルに行ってしまったということでした。

 

まずそこにひとりで行くのがバカなんですよね。それが撮られちゃったという。本当に甘さがあったなと思います。そういうことで、許す許さない以前の問題でした。

 

── とはいえ、2回も不倫疑惑を報じられていい気はしなかったと思うのですが、いかがですか。

 

金子さん:
1回目のときはどちらかというと、問題があっても揺るがないという気持ちでしたけど、2回目のときは1回目でどん底を経験しているのにまた同じような情報を出されてしまう、その不注意さに呆れたというところがあります。

 

「2回も許すんですか」と言われることもあるんですが、不貞行為も「種類」だと思っていて。

 

私の、妻に対しての自尊心を傷つけるものであるとか、別の方を本当に好きになってしまったときとかは、子どものことも考えて向き合ったり、話し合ったりしないといけないと思っています。

 

── お子さんがいることも判断の基準になってきますよね。

 

金子さん:
彼は彼なりに、子どもが生まれてすぐにあんなことになったので、「子どもに恥じない生き方をしよう」と頑張っていると思います。息子はすごいパパっ子で、先日も男ふたり旅にも行っていました。

 

ですが息子が「ママにとって幸せじゃない」とか「僕にとって何か迷惑がある」と言ったときは、きちんと考えないといけないと思います。子どもがどう考えるか、が私にとって今いちばん大事ですね。

 

今は幸い、いろいろなお仕事をいただいていますが、先日息子に「もう稼がなくていいから家にいてほしい」と言われてしまいました(笑)。それですごく考えちゃって。

 

そこからより気をつけるようにして、家を空けるときは置き手紙をしたり、夜寝ちゃう前に電話したりしていますが、子どもを持つ働く女性は少なからずそういう思いをしてるんだろうなと思います。

 

子育てって本当に難しいですよね。毎日が新しい挑戦だし。夫と子どもと私、家族って社会の最小単位、コミュニティだと思うんですけど、とても尊いし、これをしっかり守っていきたいなと思っています。

 

PROFILE 金子恵美さん

1978年新潟県生まれ。新潟放送勤務を経て、2003年にミス日本関東代表に選ばれる。07年新潟市議会議員選挙に立候補し当選。新潟県議会議員を経験後、12年に衆議院議員へ。10年間の議員生活を経て、現在は企業顧問とテレビコメンテーターなどとして活動中。
取材・文/藤井みさ 撮影/井野敦晴