「ドラマチックじゃない部分」を演じることに興味
── ずっとやってみたかった役とのこと。具体的にどういったところに惹かれましたか?
貫地谷さん:
例えば、同じマンネリ状態の夫婦でも、20代と30代では描かれ方、切り口が変わると思うんです。
30代になると、いろいろなことがフラットになるというのかな。マンネリはしているけれど、嫌いなわけでもない。なんとなく物足りなさは感じるけれど、大きな不満があるわけでもない。一緒に食事にも行くし、お互い違うことをしているけれど、リビングで同じ時間を過ごしている。刺激はないけれど、居心地は悪くない。そんな淡々とした日々を送っている、嫌な人でも、いい人でもない、ごくごく普通の人は、ずっと演じてみたかったキャラクターです。
── 普通を演じるのって、結構難しかったりしますよね?
貫地谷さん:
私の思う「普通」が果たして本当に「普通」なのかは、ちょっと分からないですけれど(笑)。
でも「私も普通に生きているし!」みたいな感覚で演じていました。
昔は、ドラマだからどこかドラマチックに演じなくちゃ、みたいなところもあったのですが、今は、ドラマチックじゃない部分を演じることに、より興味を持つようになりましたし、そう演じられるようになってきたなと思っています。
吉沢悠さんとの会話は「喧嘩みたい」!?
── 先ほど「何でもすぐに訊いちゃう」とおっしゃっていましたが、逆にご自身が思っていることは、すぐに相手に伝えますか?
貫地谷さん:
すぐに言っちゃいます。
── 誰に対しても?
貫地谷さん:
基本的には誰に対しても、です。でも、「今日、こんなことがあって、こういう風に言ったんだ」みたいに報告すると、夫から「それは言っちゃいけない」「失礼だよ」と叱られることもありますね。
── 「何度でも」で主演している吉沢悠さんもインタビューで「基本、ズバズバ言うほうです」とおっしゃっていました。
貫地谷さん:
あははは(笑)。でもそうかも。私と吉沢くんが会話すると、半ば喧嘩みたいに聞こえてしまうかもしれません。本当にズバズバ言う同士なので。お互い言いたいことを言って、スッキリする感じはあります(笑)。