「ドラマチックじゃない部分」を演じることに興味

── ずっとやってみたかった役とのこと。具体的にどういったところに惹かれましたか?

 

貫地谷さん:

例えば、同じマンネリ状態の夫婦でも、20代と30代では描かれ方、切り口が変わると思うんです。

 

30代になると、いろいろなことがフラットになるというのかな。マンネリはしているけれど、嫌いなわけでもない。なんとなく物足りなさは感じるけれど、大きな不満があるわけでもない。一緒に食事にも行くし、お互い違うことをしているけれど、リビングで同じ時間を過ごしている。刺激はないけれど、居心地は悪くない。そんな淡々とした日々を送っている、嫌な人でも、いい人でもない、ごくごく普通の人は、ずっと演じてみたかったキャラクターです。

マンネリ気味の結婚生活を演じた貫地谷しほりさん©︎2022 東北新社

── 普通を演じるのって、結構難しかったりしますよね?

 

貫地谷さん:

私の思う「普通」が果たして本当に「普通」なのかは、ちょっと分からないですけれど(笑)。

 

でも「私も普通に生きているし!」みたいな感覚で演じていました。

 

昔は、ドラマだからどこかドラマチックに演じなくちゃ、みたいなところもあったのですが、今は、ドラマチックじゃない部分を演じることに、より興味を持つようになりましたし、そう演じられるようになってきたなと思っています。

吉沢悠さんとの会話は「喧嘩みたい」!?

── 先ほど「何でもすぐに訊いちゃう」とおっしゃっていましたが、逆にご自身が思っていることは、すぐに相手に伝えますか?

 

貫地谷さん:

すぐに言っちゃいます。

 

── 誰に対しても?

 

貫地谷さん:

基本的には誰に対しても、です。でも、「今日、こんなことがあって、こういう風に言ったんだ」みたいに報告すると、夫から「それは言っちゃいけない」「失礼だよ」と叱られることもありますね。

 

── 「何度でも」で主演している吉沢悠さんもインタビューで「基本、ズバズバ言うほうです」とおっしゃっていました。

 

貫地谷さん:

あははは(笑)。でもそうかも。私と吉沢くんが会話すると、半ば喧嘩みたいに聞こえてしまうかもしれません。本当にズバズバ言う同士なので。お互い言いたいことを言って、スッキリする感じはあります(笑)。

吉沢悠さんとは「ズバズバ言う同士」と話す貫地谷しほりさん