国内外から評価される田舎館村の田んぼアート

── 今までの作品の中でも特に人気だったアートはありますか?

 

鈴木さん:

2012年に第1会場から車で5分くらいの場所に、第2会場が誕生しました。第2会場の田んぼでは、平川市の高校生たちが授業の一環として田んぼアートの一部を田植えしています。第2会場にはアニメや映画関連の田んぼアートが作られることが多く、その度に話題になり、来客者数の記録を塗り替えてきました。

第2会場を望める「道の駅いなかだて 弥生の里」の展望台(左)と岩木山(右)
第2会場を望める「道の駅いなかだて 弥生の里」の展望台(左)と岩木山(右)

2012年の「マジンガーZ」、2015年の「スター・ウォーズ」、2016年の「シン・ゴジラ」の年は、特に多くの方々が足を運んでくださいました。2016年は、第1と第2会場あわせて35万人の来場数でした。

2013年の第2会場の作品は「ウルトラマン」(c)円谷プロ
2013年の第2会場の作品は「ウルトラマン」(c)円谷プロ
2014年の第2会場の作品は「サザエさん」(c)長谷川町子美術館
2014年の第2会場の作品は「サザエさん」(c)長谷川町子美術館

── いままででいちばん印象に残っている作品はなんですか?

 

鈴木さん:

印象深いのは、2013年の「花魁とハリウッドスター」です。梅沢富美男さんをモデルにした花魁の着物の絵柄がかなり細かく、制作がものすごく大変だった記憶があります。過去いちばんの難題でした。

繊細な着物の柄を見事に表現!2013年の作品「花魁とハリウッドスター」
繊細な着物の柄を見事に表現!2013年の作品「花魁とハリウッドスター」

また、2012年の作品「悲母観音と不動明王」と「七福神」がアメリカのユニークアートアワードを受賞したことはとても嬉しい出来事でした。日本でも数多くの賞をいただきましたが、コメ文化ではない世界の方々から「稲作」を評価していただけるのはまた格別なものがあります。

2012年の第1会場の作品「悲母観音と不動明王」
2012年の第1会場の作品「悲母観音と不動明王」
2012年の第2会場の作品「七福神」
2012年の第2会場の作品「七福神」

今年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの世界的な名画「モナリザ」に再チャレンジしています。19年前に描いた初期作品「モナリザ」がまだ技術面などにおいてレベルが低かったためリベンジです。

2022年の作品「モナリザと湖畔」(7月7日撮影)
2022年の作品「モナリザと湖畔」(7月7日撮影)

以前の「モナリザ」とは比較にならない出来栄えです!どれほど私たちの技術が進化したか、ぜひ世界中のみなさんに見ていただきたいですね。

取材・文/酒井明子