千葉県睦沢町にある「むつざわヤギ牧場」が5月から「子ヤギ抱っこで寝かしつけたら入場料無料」にしたところ、TikTokでたちまち話題に。人間の腕に抱かれてうつらうつらと眠る愛らしい子ヤギの姿が70万回再生されました。この牧場を経営する川和秀夫さんに、この企画について話を伺いました。
母親に育児放棄された子ヤギだった
—— なぜこの企画を始めようと思ったのでしょうか。
川和さん：
牧場に遊びに来られた、10代の女の子のお母さんとのやりとりがきっかけです。ヤギにとても興味を持ってくださっていたので、「子ヤギ抱っこしますか？」と伝えたんです。抱っこしたら、「ああ、懐かしい。この感じ！」とおっしゃるんです。子ヤギって2〜3キロで、ちょうど人間の赤ちゃんと同じくらいの重さなのでご自身の体験を思い出したんですね。
—— 抱っこされたのはどんな子ヤギなんですか？
川和さん：
「わかばちゃん」という子なんですが、実は、母親に育児放棄された子ヤギなんです。ヤギは安心するのか、だいたい親子でくっついて寝るんです。でも、わかばちゃんは、僕が朝、厩舎に行くと、いつも1匹でポツンと寝ている。
母を求めて寂しがっているのかもしれないと思って、その女性に抱っこしてもらったんです。そうしたら抱っこした直後にスヤスヤ…と眠り始めて。スヤスヤと眠る姿をとっさに動画に撮りました。
—— それをTikTokに上げたらバズったんですね。
川和さん：
いや〜、びっくりしましたね。私は59歳なのですが、やってもFacebook、頑張ってInstagramの世代じゃないですか。
TikTokは知ってはいましたが、活発に踊っている子や歌ったりしている子の動画がメインです。「癒やし系の動画はないなぁ…」と思って、「ヤギをアップしてみたらどうかな？」と軽い気持ちでアップしたらこんなことに（笑）。
その後、新聞社の方が取り上げてくださったら、一気にネットニュースで拡散されて、今や6万5000の「いいね」がついて、70万回も再生されました（2022年6月24日現在）。
