難易度の高い義父の「気づいて!」

一方、義父の「どこが変わったかわかる?」は非常に難易度が高いです。

 

義母の場合はたいていがお花のことなのでわかりやすいのですが、義父の場合はDIY関係。

 

ちょっとした棚を作ったり、100円ショップで便利グッズを買ってくるのが大好きで、隙あらば居間のあちこちの収納を作り替えたり、整理グッズを設置しようとしてきます。

 

最近の義父の工作の一例としては、卓上の調味料入れを100円ショップで新調してきたり、キムチの空きボトルを洗って中に使いかけの消しゴムを集めてくれたり、お土産でもらったお菓子のパッケージに、私と娘が使うドライヤーを収納してくれたり…。

 

私からは頼んでない、全然頼んでないし正直ダサ…いやちょっとエコすぎるかな…という感じなのですが、義父は自分のアイデアに自信満々。

 

先日もまた義父から「何か変わってるのに気づいたでしょう?」と言われ、内心焦りながら間違い探しが始まりました。

 

電話台の横のペン立て…はこの前だし、ペットグッズにも変化はないし、収納棚も変化はないようだし…?

これでお風呂上がりもバッチリ…!?

「脱衣所に行ってみてごらん!」

 

言われるがまま脱衣所に足を踏み入れ、電気をつけると…「フオーン」という耳慣れないモーター音が。

 

音の発生源を辿って見上げると、なんと脱衣所の天井照明に、見慣れないプロペラのようなものが付いているではありませんか。

 

「これで夏もお風呂上がりに涼しいでしょう!」と誇らしげな義父。

 

脱衣所の電球が切れたので、この際だからと、扇風機(?)つきの照明に買い替えてくれたそうなのです。

 

いや、でもこれ…正直そんなに風量がないです…。

 

わが家の天井が無駄に高い作りなせいもあり、肌に当たる風はほんのそよ風程度。

 

これは夏になっても、涼しさとは程遠いのでは…。

 

そう思いながらも、まぁ義父が楽しいならいいか…と、くるくる回る小さなプロペラを見上げる同居嫁でした。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ