住宅購入は人生に一度の大きな買い物。今回は書籍『住宅営業マンぺこぺこ日記』が話題となった注文住宅・販売営業の元プロ、屋敷康蔵さんに住宅購入にまつわる注意点を聞きました。もしあなたが、どんな要望にも「できます!」と言う営業社員に当たったら──。

なんでも「やります!」の営業マンにはご注意を

物件購入の際に、どんな営業マンには注意が必要か。注文住宅・販売営業を長年してきた屋敷さんに聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

 

「ひとつ言えることは、『何でもやります、できます、大丈夫です』と言う営業さんは気をつけた方がいいですね。お客さんが言えば、契約欲しさに『やります』と言いたくなりますが、やっぱり、やれることはやれる、できないことはできないと言う営業の方がいいと思います」

住宅営業のイメージ写真(PIXTA)

何でも「できます」と言う営業の場合、後から「できてなかった」「これをつけてくれると言ったのについてなかった」とトラブルになることも多いそう。

 

しかし、注文住宅では多くのことを決めるため、顧客も自分が要望して叶っていないことがあっても気づかないケースもあると言います。

 

トラブル防止のために、屋敷さんは「打ち合わせ記録、議事録」を作ることを勧めます。

 

「その日の打ち合わせで決めたことを営業、お客さん、双方でサインして保管していきます。すると、お互い『言った、言わない』の水掛論にならずにすみます。

 

通常、議事録を作る会社が多いのですが、面倒くさがりの営業に当たると作ってもらえないケースもあります。最終的に『そんなの聞いてません』と営業に逃げられないようにするために記録は大切です」と言います。

営業マンはみんな演技派、演技に注意

他に注意すべきは「演技派」営業マン。営業マンの多くが演技派だと言いますが、その顧客に合わせた人物を演じてくるそうです。

 

ある営業マンは、神経質なお客様には、さらに神経質なふりをして信頼を勝ち得るという強者だったそう。事前に社内の職員と打ち合わせをしておいて、伝票ミスを指摘する演技をお客様の前で見せて、「君って細かいねえ。頼りになりそうだ」とお客さんに言われていたそうです。

 

他にも、すべての人につけている住宅の特典であっても「ここだけの限定サービスですから」とそっと伝える営業マンも。

住宅展示場のイメージ写真(PIXTA)

「接客したお客さんは何が何でも逃がさないという気持ちで営業はやっているはずです」その演技力をよく見極める必要があるようです。