土地はよく見極めて、近くの建てた人に聞くも吉

他にも重要なのは、土地の質だと言います。都会の分譲地ではあまりないそうですが、都心を少し離れた空き地などを購入する場合、何坪、何百万円といった金額だけが表示されます。しかし、家を建てるまでに結構な手を加えないといけない土地もあると言います。

 

「例えば土地が下がっていて、盛り土をしないといけないケース、逆に土が多すぎてそこから土を取り除く、すき取りをしないといけないケースは結構な費用がかかります。

 

水道もその土地に引き込まれていればいいですが、それが数百メートルも離れた先の水道から持ってくる場合はそれだけで数百万円かかるケースもあるのです」

 

地盤の調査も注意が必要です。土地が軟弱化しているかなど建てる前に調査をしてから建てなければなりませんが、調査結果によっては改良工事が必要になるとのこと。

 

しかし、土地のオーナーは土地契約前に、地盤調査を認めるケースはほとんどないそう。こればかりは宝くじ同様、買ってみて、調べて見ないとわからず、難しいと言います。

 

「買ってから、しまった、ということを防ぐには、昔はそこは何だったのか調べることですね。田んぼだった、などとなると改良工事が必要になってきます。

 

一番いいのは近所で新しく建てた家を見つけて、地盤調査をしてどうだったか聞くことですね。そうすると、その辺りの土地の特徴がよくわかると思います」

 

ここまでいろいろと住宅購入の裏話をしてくださった屋敷さん。最後に「本でも大変なことばかり書いていますが、やっぱり持ち家はいいですよ。だから自分のお気持ちで決めてくださいね」とのこと。

 

結局は自分の判断で決めていくことが大切なようです。

 

PROFILE 屋敷康蔵さん

35歳の時に住宅業界に就職。10年近く在籍し、120軒の住宅建築に関わる。著書に住宅営業マンのテクニックなどを書いた『住宅営業マンぺこぺこ日記』がある。

取材・文/天野佳代子 写真/PIXTA 写真提供(本人写真)/屋敷康蔵